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【新型コロナ】飲食店におけるクラスター事例集。国立感染研究所が発表

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

新型コロナウイルスの感染拡大により、全国各地でクラスター(集団感染)が発生している。国立感染症研究所(感染研)はこれまでに発生したクラスター約100件を分析し、典型的なケースを事例集として公表。今回はその中から飲食店に関連するものを紹介する。

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■昼カラオケ(カラオケを伴う飲食店)
高齢者を中心に発生。5店舗で計12人の感染が確認された。わかったことは、マスクを着用せずに長時間歌う人、症状が出ていたにもかかわらず利用した客、店のオーナー・従業員の感染が多かったこと。また、利用客7人のうち4人は複数店舗を利用しており、この「はしご」が店から店へと感染を拡大させた最大の原因だといえる。感染研は利用者に、長時間利用を避け、利用する際はマスクを着用するなどの感染対策をするよう求めている。

■接待を伴う飲食店
あるキャバクラ店では、症状が出ていたにも関わらず勤務を続けた従業員が、同じ店で働く従業員と利用客に感染させた。利用客のうち1人はスナックのオーナーで、その後、スナックの従業員と知人に感染が拡大。また同スナックの女性従業員は、客として利用したホストクラブの従業員にも感染させていた。ほかにも、流行地域から来た客を接客した従業員が感染したケースもある。感染研は店舗に対し、接客時の3密を極力減らす工夫や検温などの健康管理を行い、感染症の早期発見・早期対応を心掛けるよう呼びかけた。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

飲食店で発生するクラスターの傾向は?

飲食店でのクラスターにはどのような傾向があるのか。ニュースをいくつかピックアップする。

■パーティー・宴会
兵庫県神戸市の飲食店で利用客と従業員の計6人が感染。繁華街にある酒類を提供する飲食店で、2日間にわたり常連客や従業員など約20人が集まるパーティーを開催していた。

宮城県仙台市の飲食店で宴会を開いた大学生ら18人のうち11人が感染した。学生はマスクを着用しておらず、料理は大皿で提供されたものもあったという。

■カラオケの利用
石川県小松市の飲食店で開かれたカラオケ大会の参加者ら13人が感染。換気やマイクの消毒などは行われていたが、参加者同士の距離が近く、マスクを外して飲食する場面もあったようだ。

■複数店舗のはしご
東京都品川区の飲食店4店舗で利用客と従業員の計6人が感染した。この地域には約200軒の飲食店が密集しており、店が小さいため客同士の距離が近く、1日に複数店舗を利用する客も少なくないという。

これらのニュースから、クラスターが発生する傾向としては「大人数での食事」や「カラオケの利用」、「客が複数店舗をはしごする」などが挙げられる。これまでも感染予防対策を徹底してきたと思うが、より一層力を入れたい。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。