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2020年の「外食売上」、コロナ影響で過去最大のマイナス。居酒屋は前年比49%減

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画像素材:PIXTA

日本フードサービス協会が、2020年の外食産業市場動向を発表した。全体の売上高は前年比15.1%減で、1994年に調査を開始して以来、最大の下げ幅。新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きく、特にパブレストラン・居酒屋は深刻な打撃を受けた。

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ファストフードが好調な一方、店内飲食が中心の業態は軒並みダメージ

全体の売上高は、政府から「緊急事態宣言」が発出された4月が前年同月比39.6%減と単月で最大の減少幅だった。その後は徐々に回復傾向にあったが、8月をピークとした「第2波」、11月以降の「第3波」と、新型コロナウイルスの感染再拡大があったことなどから、年間で大幅に落ち込んだ。

業態別でみると、落ち込みが最も小幅だったのは「ファストフード」で3.7%減。テイクアウト・デリバリー需要に支えられ、「洋風」は前年を上回り6%増と好調だった。一方で、店内飲食が中心の業態は軒並みダメージを受けており、「ファミリーレストラン」は22.4%減、「喫茶」は31.0%減、「ディナーレストラン」は35.7%減。なかでも落ち込みが顕著だったのは「パブレストラン/居酒屋」で、49.5%減と前年の約半分の売上高だった。

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店舗数は前年比7.3%減

客単価については、全体ではすべての期で前年を上回って推移したが、「パブレストラン/居酒屋」のみ、すべての期で前年を下回った。こうした厳しい状況から、個人店だけでなく大手チェーンでも閉店が相次ぎ、店舗数は前年比7.3%減。特に第Ⅳ四半期(10〜12月)は12.2%減と大幅に減少した。

同協会によると、新型コロナウイルス感染拡大以降の外食需要は、感染を避ける消費行動やテレワークの増加など働き方の変化から、業態や店舗の条件も「繁華街立地」「店内飲食」「ディナー時間帯」「大人数利用」から、「郊外立地」「テイクアウト・デリバリー」「ランチタイム」「少人数利用」にシフトする傾向がみられるという。

コロナ禍の収束が長引く中、消費者の考え方やニーズは確実に変化した。店舗の立地は変えられないとしても、テイクアウトやデリバリーを始めたり、ランチメニューを充実させたりなど、いま消費者が求めているサービスを提供することが重要だといえるだろう。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。