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コロナ禍で増えた遊休不動産を活用してオープン。『HANARIDA』が目指す新しい原宿

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ドライフルーツを食べながら楽しむ「咲茶」

変わりゆく原宿エリアで「新たな“原宿”を作る店でありたい」

長引くコロナ禍に、飲食業界は未だ苦しめられている。『HANARIDA』が店を構える原宿もまた、コロナ前後で多くの店が閉店し、様変わりしたエリアの一つだ。それでも原宿に出店しようと考えたのは、オフラインのつながりを大切にしたいという今瀧さんの思いがあった。

「コロナ禍で皆が集まる場所がなくなってきている上に、外出自粛でSNSにも出かけたことをアップしづらい。今こそオフラインで皆が集まれる場所をつくりたいというのが、一番の理由です。皆が集まれる場所となると、アクセスしやすいエリアが良いかなと思い、原宿での出店を検討しました」

とはいえ、原宿エリアはいわゆる一等地であり、コロナ前までは激戦区。通常テナントが空くことは考えられなかったが、コロナ禍で撤退する店が増え、テナントに多くの空きが出た。そんな中、空いたテナントなどの遊休不動産を活用する目的で「Section L Pop-up House」が作られ、そこに『HANARIDA』が参画する形になったのだという。同施設は2021年12月末までの期間限定での営業となっている。

「テナントは一度契約すると8年ほどの長期契約になってしまうことも多く、リスクヘッジが難しいのですが、遊休不動産を活用すればリスクを軽減しつつ、いろいろなことに挑戦できるなと思ったんです。それに僕は23歳なんですが、この歳で原宿に店を持てる人が果たして何人いるのかなと考えたときに、これはチャンスだと思いました」

『HANARIDA』として大きな一歩となった原宿での出店。カフェを盛り上げていくのはもちろん、原宿エリアにも貢献していきたいと今瀧さんは話す。

「新たな原宿を作る飲食店でありたいですね。これまでの原宿を作ってきた多くの店舗が撤退して、ちょうど今“新しい原宿”が作られているところです。緊急事態宣言も解除されましたし、『HANARIDA』が街の活気を取り戻すきっかけになればいいなと思います。若者が集まる原宿で、若者向けに新しいブランドや新しいテナントを作ることに貢献していきたいですね」

「Section L Pop-up House」の外観。『HANARIDA』は2階に店を構えている

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花を贈る人を増やすために

『HANARIDA』のカフェは12月末にいったん閉店するものの、その後は別の場所でオープンすることを計画中。また、ブランドとしてもまだまだ進化を遂げている最中だ。今瀧さんに、今後の展望を伺った。

「花のブランドとしてさらに認知を獲得して、Z世代に人気のブランドとして一位を取りに行きたいです。それから、飲食店さんやいろんな事業とコラボしていくことも考えています。たとえば花を使った商品を一緒に開発したり、飲食店で記念日などを祝う際にケーキの代わりに花を贈る演出をしたり。あとは自社ブランドでクラフトビールやマシュマロを作っているのですが、それらと『HANARIDA』が社内コラボして、さらに大きくなっていけたらと考えています」

今回のカフェ出店を始め、「最終的に花を贈る人が増えるというのが理想です」と語る今瀧さん。今後も『HANARIDA』の挑戦は続いていく。

『HANARIDA』
住所:東京都渋谷区神宮前4丁目27-2 Section L Pop-up House 2F
営業時間:12:00~23:00
定休日:不定休

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竹野愛理

ライター: 竹野愛理

食と文学を愛するライター。飲食店取材、食に関するコラム、書評を執筆のほか、食関連のメディアや書籍にて編集者としても従事。趣味は読書と散歩。本を片手に旅行したり食べ歩きをしたりすることが好き。