飲食店ドットコムのサービス

飲食店の業務効率化に「順番待ちシステム」が最適な理由。人気ラーメン店『麺場 田所商店』の戦略

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

味噌らーめん専門店『麺場 田所商店 川口店』の店頭に設置された、『EPARK』の順番受付・発券機と川口店の渡辺副店長

ウィズコロナ時代のいま、多くの人のライフスタイルや意識が変革し、飲食店経営はこれまでと同じやり方ではなかなか成功することが難しくなってきた。そこで課題となってくるのが、顧客一人ひとりのニーズにいかに細かく応えていくかということ。上記の課題を見据えつつ、コロナ禍においても堅調な成長を遂げているのが、株式会社トライ・インターナショナルが運営する味噌らーめん専門店『麺場 田所商店』だ。

取材した『麺場 田所商店 川口店』は週末1日平均500人が来店し、最大30〜40分の待ち時間が発生する人気店

人気ラーメン店『麺場 田所商店』から、行列が消えたわけ

『麺場 田所商店』は、フランチャイズも含め国内外約158店舗、カナダ、アメリカやブラジル、タイなど海外展開も行う人気の味噌らーめん専門店。味噌醸造元の息子である田所史之氏が「味噌は日本人の宝物」というスローガンを掲げ、健康食である味噌を世界に広めていくために開業したブランドだ。「半分は予防医学のお手伝いをし、半分は商いを行う」という「半医半商」の考えのもと、「食べて、健康」をモットーに世代を超えた「ハレの日の食事が出来るラーメン屋」をコンセプトとしている。

使用するのは、北海道味噌・信州味噌・九州味噌・江戸前味噌・伊勢味噌など、日本各地の味噌。この中からそれぞれの店舗の地域性に合わせた三種類の味噌をベースとし、味噌漬けにしたチャーシューや煮玉子のほか、各地方の特産品をトッピングするなど、遊び心あふれるラーメンを種類豊富に展開している。

全国の『麺場 田所商店』共通メニューであり、一番人気の「北海道味噌炙りチャーシュー麺」(店舗HPより画像引用)

■クラウド型順番待ちシステムとは?
『麺場 田所商店』では、店舗によって多少の差はあれど、コロナ禍において時短営業以外の煽りをほとんど受けなかったと株式会社トライ・インターナショナルの飲食事業本部 FC店舗運営グループ部長代理 スーパーバイザー・渡邉崇洋氏は言う。酒類提供がメインではない業態、お一人様からファミリーまで楽しめるメニューというアドバンテージもあるだろうが、「夜の時間帯の売上ではコロナ禍前より上がったケースもある」というから驚く。

そんな『麺場 田所商店』の経営に大きく貢献しているのが、「EPARK(イーパーク)」の「順番待ちシステム」。人気店だからこその悩みでもある「行列の解消」に大きく貢献するクラウド型サービスだ。導入した理由は、従来の順番待ちの管理方法が、非効率でわかりづらかったためだという。

EPARK発券機は操作性と視認性が高いため「ご高齢のお客様も一度レクチャーすると次回以降スムーズに発券できるようになる」と渡邉氏は言う

「お客様には手書きのボードにお名前や人数をご記入いただいていたのですが、お呼び出ししたもののお客様に聞き取っていただけなかったり、スタッフのヒューマンエラーで呼び飛ばしてしまったり、中には字が達筆すぎて読めなかったりといったことで、お客様にご不便をおかけしている部分が多々ありました。特にお呼び出しは、日本語に不慣れな外国人スタッフには難しい業務です。また、経営者目線では順番管理のために、貴重な人員を配置しなくてはいけないことも負担に思っていました。上記の課題に加え、飲食業界における人手不足の問題もあり、人件費の抑制という意味合いからも、物理的な行列を作らずに遠隔でお席をお待ちいただける『順番待ちシステム』を導入しました」。

発券された番号を確認して順番を待つ。店に戻るタイミングは手元のスマホなどで確認しつつ、車の中などで待機することも可能だ

選んだのは、導入施設数約10万店、会員数4000万人を超える「EPARK」

中でも、「EPARK」の「順番待ちシステム」を選んだ理由のひとつとして渡邉氏は「普及率と認知度の高さに期待を寄せたため」と話す。「順番待ちシステム」のパイオニアである「EPARK」は、業界経験20年以上、国内の幅広い業種業態で約10万施設に導入され、4000万人(2021年11月時点)以上が会員登録している。

「『麺場 田所商店』では2019年8月から一部の店舗で「EPARK」の導入を開始し、現在直営、FC合わせ多くの店舗でサービスを利用しています。導入後、呼び出し時の課題は解消され、店舗スタッフからは『とにかく負担が減った』との声が聞かれました。順番案内のためのリソースを削減できるようになった分、お子様連れのお客様のフォローやこまめな清掃など、よりお客様の動向にも目を配れるようになり、サービスの質の向上につながっていると感じています」。

お客からも「家や車の中で待てるようになってコロナ禍でも安心」といった嬉しい声が多く聞かれたという。『麺場 田所商店』では当初デジタルに不慣れなご高齢の方への対応を懸念していたというが、「操作も簡単ですし、スタッフが丁寧に使い方をレクチャーすることで、ご高齢の方にはむしろ“親切なお店”という印象を抱いていただけるようになりました」と渡邉氏は話す。

さらに、こうした操作性の良さは、新人スタッフへ指導を行う上でも大きな利点となったそう。わかりやすくマニュアル化して伝えられるため、レクチャーに多くの時間をかける必要がなくなり、お客様案内における即戦力を育てやすくなったようだ。

■他ブランドからの会員流入率は約7割。これぞEPARKならではの魅力
「EPARK」のもう一つの大きな魅力は、中小規模の店舗にとって高い宣伝効果を感じられることだと渡邉氏。2021年11月のデータによれば、「EPARK」を使って他の外食ブランドで会員登録したユーザーが『麺場 田所商店』のEPARK会員登録に派生する流入会員比率は新規会員の約7割にも上る。

渡邉氏は、当初期待していた近隣の回転寿司店や焼肉店など他の店舗で会員登録したユーザーの流入についても「『EPARK』(アプリなど)で『麺場 田所商店』の新店がオープンしたことを知って、来店したお客様も実際にいらっしゃいました」と、高い広告宣伝効果を実感しているという。

スマートフォンからは順番待ちだけでなく、日時指定順番待ち予約もできる

■低いキャンセル率が売上の最大化にも貢献
さらに『麺場 田所商店』では、従来のラーメン業態で主体だった店頭発券のほか、利用客のスマートフォンから行列の最後尾に並ぶことのできる順番待ち予約、そして日時指定での順番待ち予約が可能な「EPARK」独自の「将来順番」(特許・商標登録済)機能も店舗により利用が可能となっている。

「他店に比べWeb予約率の高い『麺場 田所商店』相模原店、川口店、瀬谷店などでは特に『EPARK』導入初期からスマホでの(Web)順番待ち予約モデルを確立しています。お客様がコロナ禍でも安心して待つことのできる環境の整備とともに、キャンセル率を段階的に減らし、売上の最大化を図ることができました」と渡邉氏は話す。

2018年経産省により発表された「No show(飲食店における無断キャンセル)対策レポート」の「飲食店の予約に占めるキャンセルの内訳データ」によれば、飲食店の予約に対して3日前以前のキャンセルを含む全体の予約キャンセル率は9.3%にも上るという。しかし『麺場 田所商店』導入店における「EPARK」の2021年11月データでは、店頭端末における順番待ち受付のキャンセル率は2.4%、スマートフォン(Web)からの順番予約キャンセル率は4.7%、さらに日時指定による順番待ち(「将来順番」)予約キャンセル率は4%。一般的なキャンセル率と比較して、「EPARK」経由のキャンセル率が圧倒的に低いことが分かる。

「順番待ちシステムはキャンセル率自体も低いのですが、順番が回ってきた時点で万が一予約者が不在の場合は、次の予約者を先にお通しでき、売り逃しのリスクを最小限に抑えることができます。席予約と違って、回転率を最大化できる点が大きな魅力ですね」

と、渡邉氏も手応えを感じている。EPARKによると『麺場 田所商店』の場合、他のラーメンチェーンに比べWeb予約比率が高い傾向にあり、店舗によっては月間数百組以上をWebからの順番待ち予約で獲得しているという。

ラーメン業態の中でも『麺場 田所商店』はWeb予約率の高いブランドの1つである

■新たな客層、時間帯の利用促進にもつながる「日時指定」順番待ち(将来順番)予約機能
また『麺場 田所商店』では順番待ちシステムの導入後、グループ客の利用が増えたという嬉しい変化もあった。「多くのラーメン店はスペース上、小さなお子様やご高齢のご家族がいらっしゃると多人数でなかなか予約しづらい面がありますが、日時指定順番待ち予約は、こうした幅広い客層でのグループ客の事前予約需要にも応えられているのかもしれません」と渡邉氏は分析する。

さらにコロナ禍の分散利用促進の流れもあり、従来14時や15時くらいまでだったお昼のピーク時間帯が16時くらいまで伸びたという。これも混雑状況を事前にネットで確認できるようになったからこその事象と考えている。

ターゲットを絞ったメルマガ配信も視野に。積極的なリピーター獲得を目指す

渡邉氏は今後「EPARK」のメール配信機能も活用し、ターゲットを絞った配信でリピーターの獲得に繋げていきたいと話す。

「地元の方などには『いつも混雑しているお店』という印象を持たれてしまっている場合も多い。まだ構想段階ですが、そうした方々には比較的お席が空いている時間帯をご案内するほか、旬の季節メニューやテイクアウト可能なメニューのご案内など、顧客ニーズに合わせた的確なアプローチをしていきたいと思っています」。

ウィズコロナ時代において成長を続けるためには、人や時間などのリソースを効率的に活用するDXへの取り組みが不可欠だろう。その上で各ニーズに合わせた戦略的な販促や集客などのマーケティングも大切になってくる。「EPARK」の「順番待ちシステム」は、飲食店にとって業態問わずこうした課題解決の一助となりそうだ。

■「EPARK」順番待ちシステムの製品概要はこちらから
■取材協力:株式会社トライ・インターナショナル

■撮影協力:『麺場 田所商店 川口店』
住所/埼玉県川口市朝日2-28-13
電話番号/048-287-3388
営業時間/11:00~22:00(L.O.21:45)
※ 2022年1月21日~2月13日までの期間は、10:00~20:00(L.O.19:30)の営業、酒類の提供休止
定休日/年中無休
席数/48

[提供] 株式会社EPARKグルメ

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ
Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

『飲食店ドットコム ジャーナル』は飲食店ドットコムが運営する“食”に関するWEBマガジンです。飲食業界の最新ニュースをはじめ、食にまつわる役立つ情報や、実際に働く方々の声を読者に届けていきます。