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6月外食売上、コロナ前の19年比で93%まで回復。7月は第7波の影響で苦戦か

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7月25日、日本フードサービス協会が2022年6月の外食市場動向調査の集計結果を発表した。3月にまん延防止等重点措置が全面解除されて以来、市場は回復基調が続く。6月も前月同様に売上前年比が大幅に伸び、全体売上は119.9%となった。コロナの影響がなかった19年と比べても93.1%と復活へ近づいてきたようにみえる。

しかし、売上高の伸び率は前月よりわずかに鈍化。6月下旬あたりから新規感染者数が増加傾向となり、第7波の到来が懸念されはじめたことが影響したとみられる。

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昼の時間帯を中心に回復。夜遅い時間は不調が続く

全体売上が好調なのは、「昼の時間帯」、「家族客」、「土日休日」の集客が継続できているためだとみられる。業態別に前年同月比をみると、ファーストフードはデリバリーの定着と来客数の増加で売上高が8.0%増えた。コロナ前である19年と比べても5.5%増という結果になっている。

ファミリーレストランは、来客数が23.4%増え、売上高は31.3%の伸びを見せた。特に焼肉は郊外立地店の好調が続き、売上高54.6%増と大幅に伸びた。しかし数字には、昨年の営業制限の反動が影響している。依然として夜間の集客は弱く、コロナ前と比べると83.8%にとどまる。

居酒屋業態も19年比58.3%とかなり苦戦している。昨年との売上比は335.9%と驚異の伸びではあるが、昨年は大都市圏で酒類提供の停止などの要請が出されていたことが影響していると考えられる。

ディナーレストラン業態も同様に、5月に続き売上は171.5%と大幅に上昇したが、19年比は80.9%にとどまった。コロナと共存して社会経済活動を維持しようという動き、早い梅雨明けと6月下旬の猛暑によるビール需要は追い風となったようだが、“法人需要”と“夜間の客足”がいまだ戻らないことが不調の根本原因になっている。

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第7波突入。消費者の外食意欲は低下気味

7月に入り、新型コロナ感染の第7波が全国に拡大。飲食店に営業制限は出されていないものの、少しずつ影響が出始めているようだ。飲食店の予約管理サービスを手掛けるトレタの調査では、7月18日~7月24日の全国約4,200店の週の売上は前週(7月11日〜7月17日)の75%と大きく下降。特にディナー(午後5時~午後8時)やレイトディナー(午後8時~午前0時)の時間帯の客数の落ち込みが大きく、18~24日のディナーの客数は33.5%、レイトディナーは44.1%減った。

6月は好調だったが、業態別に見ると昨年の営業制限の反動による数字であることや、夜遅い時間帯の集客に苦戦する店舗が多いことがわかった。7月以降は第7波の影響が数字に表れていくと考えられる。消費者の外食意欲が低下しつつあるなかでの厳しい営業を求められるが、換気などの感染対策を徹底しながらなんとか乗り切っていきたい。

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岩﨑美帆

ライター: 岩﨑美帆

1982年生まれ。NPO活動に没頭した 大学時代、塾講師、広告営業を経て、フリーライターに。食・健康・医療など生と死を結ぶ一本線上にある分野に強い関心がある。紙媒体、Web媒体、書籍原稿などの執筆の他、さまざまな媒体の企画・構成の実績がある。好きな言葉は「Chase the Chance!」