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7月の外食売上、テイクアウト・デリバリーが下支え。第7波で居酒屋業態は再び苦戦

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

日本フードサービス協会による外食産業市場動向調査の2022年7月の結果が発表された。業界全体の売上は営業制限のあった前年を上回り114.5%増。しかし3月の制限解除以降は回復基調にあった店内飲食が第7波の影響を受け、月後半に失速。全体売上を押し下げる結果となった。

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ファストフード業態は19年比でも112.1%と好調

ファストフード業態は、テイクアウト・デリバリー比率が高いこともあり、比較的堅調に推移し、全体売上は前年比107.8%、19年比112.1%となった。

特に「洋風」は、テイクアウト・デリバリーの堅調に加えて、価格改定による単価上昇もあり、前年比108%、19年比では130.8%と、大幅な伸びを見せた。「和風」は、昨年からの価格改定や鰻などの季節メニューが好調となり、客単価が上昇。前年比110.2%となった。

「麺類」は、月後半にラーメンなどで客足の減少が見られたが、うどんのテイクアウトが伸びたところもあり前年比110.5%。「持ち帰り米飯/回転寿司」では、「持ち帰り米飯」のデリバリーやネット注文が好調で、前年比102.6%。「その他」は、「アイスクリーム」が夏休み需要を取り込んだうえ、サイズアップキャンペーン等が功を奏し、前年比108.2%となった。

ファミリーレストラン業態は中華・焼肉が好調

ファミリーレストラン業態の全体売上は、前年比120.6%だが、夜間集客の鈍さに加え、感染者数が増えるにつれ客足は鈍り、19年比では89%にとどまった。

「洋風」、「和風」の売上前年比は、「洋風」117.7%、「和風」121.9%となったものの、中旬以降は高齢者層の外出控え傾向が強まり、19年比は「洋風」83%、「和風」84.1%。「中華」はテイクアウト・デリバリーが引き続き堅調だったうえ、今年は酒類の販促キャンペーンを展開できたこともあり、売上は118.9%と好調だ。19年比でも109.4%となった。「焼肉」は、感染者増加に伴い特に都心部や駅前立地は苦戦。郊外店でも客足の伸びが鈍くなったが、月全体で見れば好調を保ち、前年比131.7%、19年比105.6%となった。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

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パブ・居酒屋・飲酒業態は19年比53.3%と厳しい結果

パブ・居酒屋・飲酒業態は、大都市圏などで休業要請が続いていた昨年の売上と比べると237.6%と大幅に伸びた。しかし、ようやく戻りつつあった中小規模の宴会のキャンセルが相次ぎ、月後半になるほど客足は鈍った。19年比の売上は、47.6%(4月)、54.7%(5月)、58.3%(6月)と回復基調であったが、7月は53.3%とやや下降気味に。

ディナーレストラン業態は、月初は比較的好調で、ディナー時間帯の客足にも一部戻りが見られた。しかし中旬以降は、都市部の店舗を中心に売上が下降傾向となった。営業に制限のあった前年と比べると売上は133.2%だが、19年比では80.6%にとどまった。

喫茶業態でも月の下旬になるほど客足が落ち、特にビジネスエリアの店舗が影響を受けた。売上は前年比116.1%となるも、19年比では81.8%にとどまった。

テイクアウトやデリバリーが可能な業態は比較的売上を維持している印象だが、店内飲食や酒を伴う業態では第7波による自粛ムードが影響した。8月末現在は感染者数もピークを越えた印象がある。今後の客足回復を祈るばかりだ。

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若松真美

ライター: 若松真美

ライフスタイルや旅行に関する女性向けWebメディアで編集者を経験後、現在はフード、トラベル、日本文化などの分野で執筆するライター。蕎麦屋酒と浮世絵を愛する。週末は東京下町を中心に酒場巡りや町歩きを楽しんでいる。