一つ星『ラペ』松本一平シェフの新たな挑戦。イタリアン経験者を起用し3店舗目を出店

『ラペ』の厨房に立つ松本シェフ(左)
雇われシェフだとしても店に愛情を注ぐ
松本シェフは『平ちゃん』開業後も、常に物件を探していた。
「どんな業態の店舗にするか具体的な計画はありませんでした。ロケーションや家賃などの条件とタイミングさえ合えば、新店舗をオープンしたいと考えていました」(松本シェフ)
2022年夏、『ラペ』と同じ町内に竣工するビルにいい物件があった。コロナ禍で空室があったことも幸い。店舗の内装工事を始めるまでの半年間無償の条件で契約した。
「大島は入社7年目。ステップアップの時期だと思っていたことから大島の経験を活かせる店を出したいと考えていました」(松本シェフ)
『ラペ』の近くにフレンチを開くと競合する。「イタリアンとフレンチを融合させたレストランなら」と考え、大島さんを新店舗のシェフに任命。新店舗はビル2階の15坪。大島シェフと料理人2人とサービス1人で回せる、オープンキッチンの店を開くことにした。

松本シェフ(左)の元でフレンチを学んだ大島さん(右)
「将来フレンチを取り入れたイタリアンベースの店をやりたいと思い描いていましたが、まさかこういう展開になるとは想像していませんでした。独立の夢を諦めたわけではありません。まずは『ピース』をきちんと経営させたいと思っています」(大島さん)
じつは松本シェフも独立前、フレンチの雇われシェフを10年務めた。その間、自分の店のように経営していたと振り返る。
「大島にも同じ感覚で『ピース』を経営してもらいます。自分の店のつもりで愛着を抱いてやらないと将来独立したとしても成功するはずがありません」(松本シェフ)
『ピース』と『ラペ』は別会社だ。グループとして食材を一括で購入することもあるかもしれないが、基本的には『ピース』が独自に食材を仕入れることになる。
「大島は『ラペ』でフードロスにも取り組んできたし、原価計算もできことから新店舗を任せることにしました」(松本シェフ)
