飲食店ドットコムのサービス

学芸大学の人気酒場『びゃく』が明かす、グルメ激戦区で勝ち抜く「3つの秘訣」

LINEで送る
Pocket
follow us in feedly

大切なのは目配り・気配り・心配り。お客様との会話も大切にし、コロナ禍だからこそ店舗のファンを増やすことに力を入れる

「普段使いできる店」を意識し、コロナ禍でも堅実な店舗運営を徹底

オープンして10か月。コロナ禍ではあるが、店舗としての滑り出しは順調だという。従業員も店舗運営に慣れ、常連客もつき始めた現在、「回転数のアップ」を意識しつつ、そろそろ次の段階に進みたいと池上氏は話してくれた。

「オープン当初からお客様を大勢呼び込むことは、接客がおざなりになってしまうため避けたかったんです。1組1組のお客様に丁寧に接し、満足度を上げてまた来店してもらうことに力を入れました。「1日きっちり2回転させる」ことを意識し、それ以上は無理をしないように注意する方法が功を奏しています。ただ、そろそろ従業員にも余裕が出てきたので、回転数を上げてもっと利益を出す方向に舵を切る頃合いでしょう」

コロナ禍ではあるが、だからこそあえて特別なチャレンジではなく「店でできること」や「人と人とのつながり」、「店舗のファンをつくること」など飲食店として当たり前のことを大切にしたと池上氏は熱を込めて言う。

「今回は新型コロナウイルスの流行でしたが、またいつ別の脅威が来るかわかりません。ピンチの時に強いのは、『普段からなじみのある場所』や『つい顔を出したくなる場所』です。お客様の日常になることが大切なんです。そのためには、お客様にお店のファンになってもらわなくてはいけません。肩肘はらず、従業員の顔を見にお店に寄って、週2回くらい夕食をとり、ついでにお酒も飲んでもらえるような店を目指しています。月1回の特別な店ではなく、週2回来られる店になることが重要なので、普段の食事で使いやすいメニューにも力を入れていますよ」

基本を大切に、お客様に愛される店を目指してチャレンジを続ける

今回の話では3つの秘訣にスポットを当てたが、何よりも池上氏が大切にしているのは「基本」だ。若手スタッフと力を合わせ、お客様と地域に愛される店舗を作り上げてきたスタンスが、現在の実績に結びついているのだろう。

池上氏は『酒場きんぼし』や『びゃく』と同じく「野菜居酒屋」と「おばんざい」をキーワードにした新たなコンセプトの店舗をオープンすることも考えているという。「早く形にしてお見せしたいですね」と語る池上氏の動向から目が離せない。

池上善史(いけがみ・よしひと)
1982年生まれ、兵庫県出身。26歳から飲食業界に飛び込み、株式会社ブラボー・ピープルズの店舗などで経験を積む。2018年6月に1店舗目となる『酒場きんぼし』を渋谷でオープン。『びゃく』は2店舗目となる。

『びゃく』
住所/東京都目黒区鷹番3-8-10 大根ビル2F
電話番号/03-6303-3789
営業時間/17:00~24:00
定休日/不定休

この記事は役に立ちましたか?
はい いいえ

Pocket
follow us in feedly
飲食店ドットコム通信のメール購読はこちらから(会員登録/無料)
飲食店ドットコム ジャーナルの新着記事をお知らせします(毎週3回配信)
支倉律花

ライター: 支倉律花

教員として学校に勤務しながら、グルメ・エンタメなど複数のWebメディアで記事の執筆を行う。現在はフリーランスのライターとして、教育・医療系媒体を中心に取材・執筆を担当。映画館に週4で通うのが趣味。