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あの『GEM by moto』の敏腕シェフが再始動。『ミズノトリ』流のペアリング思考に迫る

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深津さんや他のスタッフおすすめも少しずつ加わり、より多彩なラインナップに

お客様の「楽しい」が第一。ペアリングは絶対ではない

現在、50種類以上の日本酒をそろえる『ミズノトリ』。酒担当のスタッフがメインとなり、できるだけバランスよく、またバリエーション豊かなラインナップになるよう4社の酒店から仕入れを行っている。

ただし日本酒×和食のペアリングを謳いながらも、特定の酒と料理を固定しての提供はしない。一般的な居酒屋と同様に、酒も料理もお客が好きに選べるスタイルだ。

「日本酒をよく飲まれる方とそうでない方とでは、味の感じ方や好み、嗜み方も違います。また、こちら側がすごくいいと思う組み合わせでもお客様が苦手なお酒の場合もある。なので、最初の1杯の選び方やそれを飲まれた時の言葉をキャッチして、ペアリングを提案したりお口に合いそうなお酒や料理を提案したりしています」

『牡蠣とタルディーボのぬた』1,200円。辛子やわけぎを使わず、タルディーボと黒丸大根で爽やかさを演出。水酛造りの『花巴 自然淘汰』が牡蠣の旨みを増幅させる

すべての酒と料理を一任するお客もいれば、どちらかだけを好きに選び、それぞれに合ったおすすめを求められることも。もちろん、日本酒ソムリエや料理人としての立場からより好ましいと“思われる”ペアリングを決めて提供することも可能だが、『ミズノトリ』が大切にするのは、あくまでそれぞれのお客にとって最も楽しい食事の時間を提供すること。一人一人の楽しみ方に合わせた日本酒と和食で、最高のひとときを届けたいという。

だからこそ、深津さんが譲れなかったという店の要素のひとつが、カウンターだ。

「直接、お客様の顔が見えて声が聞けることはもちろん、箸・お酒の進み具合や何気なく漏れる声などから、今その方が何を求めているか、どうすればより喜んでいただけるかを感じ取れるのがカウンターの魅力です」

厨房を囲むように備えられたカウンターは、すべてのお客の顔が深津さんから見えるように。客同士が自然と会話がしやすいようにと、アーチ型にする工夫も施した。

カウンター席以外に4人掛けのテーブル席と立呑み席2席も備える

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。