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あの『GEM by moto』の敏腕シェフが再始動。『ミズノトリ』流のペアリング思考に迫る

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いい食材を使い、完成度の高い料理に仕上げることが大前提

『ミズノトリ』では、酒も料理もどう楽しむかはお客の自由。では、多種多彩であるそれぞれの日本酒に“合う”料理とは……?

「もちろん、すべての料理がすべての日本酒に対して完璧にフィットすることはありえません。だからこそ、どの料理もまずは『料理』として完成した状態に仕上げるのが大前提。そこに、日本酒で新たな要素……、例えば香りだったり味だったりが加わることで、異なる味わいに変化したり、より何かの素材が引き立ったりする。そんなバランスを見極めています」

貴醸酒とのペアリングには『イカスミポテトサラダ』850円もおすすめ。混ぜ込まれた奈良漬けやカカオニブ、揚げじゃがいもの香味・甘みと調和する

使用する食材は、10年以上信頼を寄せる小田原の魚問屋や豊洲市場で仕入れる鮮魚のほか、今回新たに取り扱いを始めた「吉野ハーブファーム」の野菜がメイン。その中でも「吉野ハーブファーム」が扱う洋野菜は、和食畑の深津さんにとって目新しいものが多く「お客様にも新たな出会いとワクワクを届けられれば」と語る。

メニュー例。「物価高騰の波は厳しいですが、一つの料理を作る際に出た副産物を別の料理に活かすなど、無駄なく食材を使うことを心がけている」(深津さん)

確かな美味しさの料理と酒で、お客を楽しませる……。ペアリングをベースとしつつ、飲食店の基本ともいえるその信念があるからこそ、深津さんの店は、食通・日本酒通だけでなく日本酒初心者まで幅広い層を取り込み、支持されるのだろう。オープンから4か月。「常に、安心感とワクワク感の両方を持つ店であり続けたい」と話してくれた深津さん。

「苦手だと思っていたお酒でも、料理と合わせることで新しい発見や美味しさに出会うことがたくさんあります。だからこそここではいろいろな日本酒にチャレンジしてほしい。日本酒は本当にさまざまな表情を見せてくれて、知れば知るほど楽しいので」

まずは『ミズノトリ』を広くお客に知ってもらうこと、そして志を共にするスタッフを増やし、輪を広げていくことが深津さんの直近の課題だ。日本古来の文化である日本酒×和食でどんな真価を見せていくのか。深津さんの挑戦から目が離せない。

『ミズノトリ』
住所/東京都渋谷区恵比寿1-30-9
電話番号/03-5422-9967
営業時間/平日17:00~23:30、土日祝13:00~21:00
定休日/月曜
席数/カウンター14席、テーブル4名席

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。