なぜ月商1,400万円売れるのか!? ネオ大衆酒場『つむぎ堂』のメニューを大解剖
ブラッシュアップされた名物メニュー
『サワマル』は茹でタン、国産鶏の肉汁焼き、牛すじ肉じゃがの3品が名物メニューだったが、つむぎ堂では牛すじ肉じゃがを呑める餃子に変更したという。
「茹でタン、牛すじ肉じゃがはいずれも煮込み料理。一方で餃子酒場が定着しているマーケット環境を加味し、酒のあてにぴったりの一口餃子を名物メニューにした方が、惹きが強いと判断しました」と村野氏は呑める餃子を投入した狙いを説明する。
カウンターに埋め込まれた大鍋で煮込んでいる茹でタンは、注文後の調理が盛り付けのみのクイックメニュー。一方、国産鶏の肉汁焼きと呑める餃子は調理におよそ20分を要するが、提供時間が異なる名物メニューを用意し、ファーストオーダーテイクの際にそのことをスタッフが説明することで、まとめ注文にもつながりやすいという。
サイドメニューに「気になる商品」を散りばめる
「牛タンの端材でつくる自家製コンビーフを合わせたポテトサラダがサイドメニューの一押し」と村野氏は言う。
「その他の商品ラインアップで重視したのがバランスです。名物メニューは『必ず注文してほしい商品』。それに対し、サイドメニューには和洋中エスニックの定番をアレンジした『気になる商品』を散りばめて、プラス1品の注文につなげることを狙いました」と説明する。
厨房内の人員配置は刺し場、コンロ場各1人。国産鶏の肉汁焼きはスチームコンベクションオーブンを用いて調理オペレーションを軽くしているが、「餃子はフライパンで焼きあげており、コンロ場の作業負担が大きい。そのため、サイドメニューは注文後にコンロで調理する商品を5品に絞ることで、ポジションごとの作業負担が均等になるように調整しています」と村野氏は言う。
フードメニューの中心価格帯は税抜き380~550円(418~605円)。ドリンクメニューは広島県産の瀬戸田レモンを用いたレモンサワーを柱にし、ビール、ハイボール、お茶割り、カクテルなど税抜き450~500円(495~550円)を中心価格帯としておよそ70種類を揃えている。
『つむぎ堂』の客単価は4,000円。若年層をターゲットにした居酒屋としてはやや高めの単価設定といえるが、同社は2023年4月3日にオープンしたばかりの『めしや ヒロキ倶楽部』で、想定客単価6,000円のさらに高単価な新業態にチャレンジしている。
