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坪月商50万円の恵比寿『Flamingo』、グルメ激戦区の“穴”を狙った巧みな業態戦略

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客の心を鷲掴みにする、“期待を上回る”クオリティと圧倒的な満足度

この立地と、フルオープンキッチンのスタイリッシュな空間、さらにはSNSや口コミで話題となれば、恵比寿の人々が放っておくはずはないだろう。新規客はあとを絶たず、「こういう店が欲しかった!」という多くの声とともに、「人気店だから」「ファッション感覚」で訪れる客も少なくないというが、それでも絶えず客が集まり続けるには確かなワケがある。想像を上回る、感動と満足度が待っているからだ。

それを実現するために『Flamingo』が重視するのが「レストランクオリティの美味しさ」「リーズナブルな価格」そして「ライブ感のある楽しさ」。

「『流行ってるから来てみたけど、高級店よりよっぽど美味しくて感動!』とか、『この立地と値段で、料理もサービスもこんなにいい仕事をしてくれるのか』とか、何気なく訪れたお客様に、今度は美味しいからという理由で来てもらいたいと常に考えています。だから何よりも、いい料理といいワインは絶対条件」

トリュフや仙台黒毛和牛を使った料理も。ワインリストはなく、好みや気分に合わせて提案する

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ひとり1万円が「フラッと」の限界だと据え、前菜は800円〜、メインの肉や魚は3,000〜4,000円台をベースにし、冷菜・温菜・パスタ・メインまでのコース仕立てのオーダーを想定して各メニューの価格を設定。あとは、厨房を担うシェフにその価格と「本気で・自由に・自分らしい色が出る料理」を作ってほしいと伝えるのが、岡田氏のスタイルだという。

というのも、「“作らされたもの”より、自分で表現したいものを自由に作れる方が必ずいい料理ができる」と考えるからだ。自身も含め、スタッフが仕事を楽しめるほどいいサービスにつながり、結果、お客様の満足度も高まる。その声が返ってくればまた、働く側のモチベーションが上がるという好循環が生まれるというわけだ。

大崎氏(写真手前)は、総括料理長として同社創業時から苦楽を共にしてきたという

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現在、総括料理長である大崎秀明シェフが軸にするのは、「イタリアに馴染みがある人もない人も、満足できるイタリアン」。シチリアの郷土菓子・カンノーリを冷菜にアレンジした「マグロのタルタル カンノーリ」や、極厚切りの鯛にオレンジとトマトのソース、パンテレリア島特産の華やかなケッパーを添えた「真鯛のカルパッチョ」は、親しみやすさの中にも驚きとギャップがあり、有名店に通うフーディーをも唸らせる。

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山本愛理

ライター: 山本愛理

フリーライター・エディター。WEBを中心に食にまつわる記事を執筆。 昔ながらの喫茶店から星付きレストランまで、美味しいものを通して幸せな時間を提供してくれる人の声と熱を届けるのが好き。空いた時間はもっぱらカフェ巡り。