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上昇気流・笹田社長が語る2024年外食業界予測。集客の鍵は「客の心を癒す」店づくり

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2023年に学芸大学の路地裏、マンションの一室に開業した『コーヨーハイツ』も本格和食と気さくな接客などの店づくりが功を奏し連日満席に

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居酒屋は「上司や同僚と行く場所」から「親しい人と行く場所」へとシフト

一方で、コロナ禍を経て、働く人々の気持ちにも変化が生まれたと笹田氏は言う。

「飲食店でも『職場に行くのが面倒』『働くのが嫌』と言っていた人たちが、コロナ禍でいざ仕事がなくなると『働きたい』と言い出した。それはお客さまに来店してもらって、話ができることのありがたさ、仲間と繋がれることの喜びを改めて感じたからだと思います。結果的に、そういったことに働く楽しさや嬉しさを見出せる人しか、今は飲食業界に残ってないのかもしれません」

「4人以上での会食禁止」「夜間の酒類提供禁止」など、さまざまな規制が行われたコロナ禍を経て「人々が居酒屋に求めるもの」も変化したと笹田氏は話す。

「居酒屋は会社の上司や同僚などと行ってお酌をする場所ではなく、親しい人と数人で楽しみに行く場所へと変化してきています。実際、我々が関わる業態では団体利用が減ってきて4人以下の利用が多い。お店の選び方も『目についたお店に入る』というケースは減って、『良さそうなお店を予め調べて、予約していく』というように変わってきているように感じます」

また「客単価も上昇した」と笹田氏。良いお店にしっかりお金を払い、質の高い料理やサービスを受ける人が増えてきた。さらに複数の店舗をハシゴしてダラダラと酒を飲み続けるのではなく、目当てのお店で適量の食事と飲酒を楽しむ傾向にあるという。

さらにSNSの普及に伴い、立地の障壁もなくなってきた。「路地裏や空中階でも個性と実力があるお店であれば、お客さまを呼べるようになってきた」と笹田氏は実情を明かす。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経てフリーライターに。フードアナリストの資格を持ち、現在マガジンハウス『Hanako.tokyo』や徳間書店『食楽web』、ぐるなび『dressing』、日経『大人のレストランガイド』などで飲食店取材記事や食のエッセイを執筆中。