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2024年春闘、『すき家』『松屋』など外食大手が賃上げ。今年は「非正規春闘」も

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2024年の春闘は3月13日に集中回答日を迎え、外食業界を含む大手企業で大幅な賃上げが見られ、早期の妥結が続いている。今回は、外食業界大手各社の春闘の結果と、非正規春闘について紹介する。

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2024年春闘は外食大手各社で過去最高の賃上げ

3月13日に集中回答日を迎えた2024年の春闘では、自動車や電機、鉄鋼などの大手各社を中心に、満額回答が相次ぎ、労働組合の要求額を上回る回答も見られた。外食業界でも、新型コロナウイルス感染症が5類移行してから業績が回復したことや、深刻な人手不足を背景として、大幅な賃上げが見られた。以下に外食大手各社の動きをピックアップする。

■松屋フーズホールディングス
『松屋』を展開する松屋フーズホールディングスは、昨年12月に労働組合と交渉を行い、今年4月からベースアップや定期昇給、賞与をあわせて平均10.9%の賃上げを実施すると発表している。全体で約6.9%の賃上げだった昨年を上回り、過去最高となっている。

■すかいらーくホールディングス
『ガスト』『バーミヤン』などを展開するすかいらーくホールディングスも、過去10年で最大の賃上げ額となった昨年の平均4.38%を上回り、5%のベースアップを含む平均6.22%の賃上げで労働組合と合意した。

■ゼンショーホールディングス
『すき家』『なか卯』などを展開するゼンショーホールディングスは、ベースアップと定期昇給をあわせて平均12.2%の賃上げ。同社は12年連続でベアを実施しており、過去最高の9.5%を上回る結果となった。

■王将フードサービス
『餃子の王将』の運営会社である王将フードサービスは、ベースアップと定期昇給などを合わせて過去最高の11.5%の賃上げで妥結した。昨年が2016年以来のベア実施だったが、今年は平均月額3万9,162円の賃上げとなり、労働組合の要求額2万220円を上回る結果となった。

■日本マクドナルドホールディングス
『マクドナルド』を運営する日本マクドナルドホールディングスは、今年2月8日に実施した2023年12月期 通期決算説明会にて、2年連続のベアを実施すると発表した。ベースアップと定期昇給をあわせて平均4%の賃上げとなる。また、2024年に入社する四年制大学・大学院卒の新卒初任給も1万円引き上げる。

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非正規労働者による非正規春闘も

外食大手各社で賃上げが続く一方で、集中回答日の3月13日には非正規労働者による非正規春闘も行われた。外食業界では、『スシロー』『かつや』『スターバックスコーヒー』などの運営会社に対し、10%以上の賃上げを求めている。

昨年、最低賃金が引き上げられたことで非正規労働者も賃上げが見られたが、多くの企業で正社員と同等の賃上げが実現しているとは言い難い。例えば正社員は平均4%の賃上げとなった日本マクドナルドホールディングスも、アルバイトは各店舗での役割と責任に応じて時給を設定しているとしており、賃上げについては言及していない。

外食企業の多くがアルバイトスタッフを中心に店舗運営を行っていることもあり、今後は非正規労働者が賃上げの波から取り残されないようにしていくことが課題だといえるだろう。

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com