渋谷の予約困難店『Niru』。駅徒歩15分でも客が絶えない「仕込み」の流儀
分けてサーブすることでお客の箸が進み、追加オーダーにつながりやすい
事前にしっかりと仕込みを終え、営業中は接客やサービス面に集中することにも、佐保氏のメリハリ重視の姿勢が表れている点だ。
たとえば、煮込み以外の料理は原則、事前に人数分に分けてサーブする。大皿提供の場合、客同士で遠慮し合ったり互いのペースに合わせたりするのが常だが、事前に分けることで一人ひとりが自分のペースで食事ができるからだ。さらに、結果的に食が進むため追加オーダーにつながりやすいという。小さな手間でお客の満足度を大きく上げられるのであれば「拒否する理由はない」と佐保氏はいい切った。
「ただ、声がけやコミュニケーションは本当に必要最低限です。店側は親切のつもりの何気ないひとことでも、お客さまの会話を途切れさせたり返事を強要させたりしてしまう。ちゃんと、目さえ配れていればいいかなって」
お客の満足度を上げるためにも、週休3日で英気を養いたい
最後に今後の目標を聞くと、「週休3日にしたいですね(笑)」と、予想外の答えで笑わせてくれた佐保氏。しかしそれは後ろ向きな発言ではなく、よりよいものを提供し、お客の満足度を上げるためにもオン・オフのバランスを整えたいという意図だ。
「週休2日のいまも、全力で遊びに費やしてしまうので(笑)、何もしない日を1日つくってもう少し英気を養えるといいですね。いい刺激といい休養があってこそ、またいいものがつくれる。プラスのサイクルをうまく回せるようにしたい」
週3、4軒は他店へ足を運び、学びやヒントを得ているという佐保氏。その店づくりは、さらに煮詰められていきそうだ。
『Niru』
住所/東京都渋谷区東1-25-5
電話番号/03-6450-6014
営業時間/17:00〜22:30
定休日/水曜・日曜+不定休
席数/15
坪数/約10坪
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