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明大前『ハイチャイナセカンド』永澤氏と振り返る、居酒屋ビジネス10年の変遷

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「オリジナルサワー」(550円)の漬け込み酒。左から、「コーヒー」「美肌」「モスコ」「ジントニ」「レモネード」。味わいはもちろんスパイスの効能も異なる

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原価高騰を言い訳にしない。価値のある商品で顧客満足を追求

世界情勢の悪化や石油高騰によって続く物価高を背景に、飲食店の想定客単価はここ数年上昇している。「流行りのネオ中華を参考にすると、都内では客単価5,000〜6,000円が妥当だろう」と永澤氏は分析する。一方で「明大前というローカルな立地では高すぎる」とも感じていて、今年3月から徐々に値下げしているそう。

「今は企業努力で価格を抑えていますが、今後は原価率を引き下げながら、いかに顧客満足を追求するかというところに課題があります。同じ商品のまま、ただ売値を引き上げるのではなく、食材や調理方法の工夫で付加価値を上乗せすることで、満足感のあるものを提供したいです」

一般的には原価高騰による価格転嫁に迫られている状況だが、それを言い訳にしない顧客目線の考え方には永澤氏の信念を感じる。

振り返れば、社会的な意識変化の大きかったこの10年。客のニーズ変化を察知して生み出された工夫が、飲食店のトレンドになった。しかしながら表層は変化しても、「居酒屋は会話を楽しむ場所」という永澤氏が考える店づくりの芯は変わっていない。

「コロナ禍が収束を迎えた今、これまでの抑圧を取り戻すときが来ていると思います。お手頃な食材でおいしいものをつくること。目の前のお客様を楽しませること。楽コーポレーションで学んだことをベースにして、活気のある楽しい居酒屋をつくりたい」

客の目の前で料理を切り分けたりバーナーで炙ったりと、ライブ感のある演出によって、店内の至るところから自然なコミュニケーションが生まれている。『ハイチャイナセカンド』のにぎやかで活気のある雰囲気は、これから10年先も変わらず続くことだろう。

『ハイチャイナセカンド』
住所/東京都世田谷区松原1-37-17
電話番号/03-6687-5601
営業時間/17:00〜L.O.22:30
定休日/不定休
席数/カウンター18席+テーブル11席
公式インスタグラム

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松本ゆりか

ライター: 松本ゆりか

東京でWebマーケターを経験した後、シンガポールへ渡りライフスタイル誌やWebメディア制作に携わる。帰国後、出版社勤務を経てフリーライターに。主に中小規模ビジネスや働き方に関する取材・執筆を担当。私生活ではひとり旅とはしご酒が好きなごきげんな人。