坪月商40万円! 予約至難の横浜『goffo』が貫く、料理もサービスも“優しく直球な”スタイル
ワインを飲む人に客層を絞り、“食べて飲んで楽しめる”活気のある店に育てる
ネットでの予約受付開始後はあっという間に席が埋まってしまうため、気軽に立ち寄るのが難しくなった同店。そのため、平日の20時以降は、当日19時以降の電話予約で入店できるシステムにした。ただし、当日予約の受付は「ワインを1人2杯以上飲むこと」という条件付きだ。
「『goffo』では、あくまで料理とワインを一緒に味わっていただきたいんです。最近はSNSへの投稿などを目的に飲食店で料理だけを注文し、ソフトドリンクで済ませる方も増えていますが、そうした方を受け入れてしまうと“『goffo』で料理と一緒にワインを楽しみたい”というお客様が予約を取れなくなってしまうかもしれない。そう思うと申し訳ない気持ちになります。20時以前の時間帯でも、ワインを飲まれるお客様へのサービスはソフトドリンクのみの方以上に手厚くするようにしています。もちろん、ソフトドリンクのみのお客様を雑に扱うわけではありませんが」
高木氏は率直な思いを語ってくれた。むやみにお客の分母を増やすのではなく“『goffo』で料理と一緒にワインを楽しみたい”という人の数を増やしたい。そうしたお客が集まれば店にもいっそう活気が出て、気持ちよくサービスを提供できる。賛否両論の口コミが集まるというが、「よりよい雰囲気の店に育てていくため、芯を持ってぶれずにやっていきたいです」と胸を張る。

2年熟成したことで甘味が増したジャガイモで作るニョッキも看板メニュー。組み合わせる食材は季節によって変わる。写真は「ゴルゴンゾーラと無花果、ヘーゼルナッツ、レモンジャム 2年熟成芋ニョッキ」(2,600円)
メニューは40種類以上。食べさせたいものが伝わってくる、シンプルで潔い料理の数々
「開業後1年ほどは、以前の職場で作っていたような、幅広い客層になじみのあるクラシックなイタリア料理を作っていました。しかし、周辺には同じようなスタイルの競合店が多かったので、イタリア料理のメソッドをベースにしながら日本の食材を柔軟に使ったメニューに変えていき、差別化を図りました」
野菜は2軒の農家からの直送で、魚や肉も国産を使用。それに伴って、器も日本の作家のものを取り入れるようになった。
「メカジキとオレンジのカルパッチョ」(1,940円)や、名物の「帯広牛の溶岩石グリル」(4,000円)などのメニューは素材の持ち味を活かした優しい味わいで、“何を食べさせたいか”が伝わってくる。どの皿も盛り付けが潔く、ボリュームがあってビジュアルの迫力を感じる。
7,000円のおまかせコースも用意するが、メニューの主軸はア・ラ・カルト。「次々と出てくる旬の食材をすべて活かしきりたい」と、常時前菜は30種類、パスタ7種類、メイン6種類程度をラインナップしている。豊富なメニューから選ぶ楽しみ、「次回はこれも食べてみたい」という期待が、リピーター創出に一役買っているようだ。
