広尾のネパール料理『MOMO Stand TOKYO』、オープン1年で月商2倍を達成した戦略
ネパールの蒸し餃子を東京スタイルにアレンジ
お客の半数近くが注文するのが、7種類のモモとペアリングワインが楽しめるコース料理「ALL MOMO」(8,800円)だ。齋藤氏が『MOMO Stand TOKYO』を構想するきっかけとなったスペシャリテの「ポークMOMO」や、ネパールでスタンダードな「チキン」「ラム」「チリ」、オリジナルの「べジ」「和風」、季節の食材を取り入れた「季節のMOMO」などから構成される。
すべてのモモに共通するこだわりは、生地だ。「パサつきや口に残る感じを抑え、モチっと感を出すために、タピオカ粉を入れるなど試行錯誤を繰り返して、オープン前日にやっと完成したんですよ」と齋藤氏が言うとおり、絶妙なもっちりした食感がたまらない。また、オーダーを受けてから蒸し、出来立ての美味しさを提供するのもポイントだ。
そして、ネパール料理を日本人の舌に合わせるために塩味を控えめに調整。あえて素材感を出し、スパイスを堪能できるよう意識している。
モモ以外には、ネパールの漬物で酒にもよく合う「アチャール」や、締めには現地で人気のインスタントラーメン「チャウチャウ」を使った「ネパールラーメン」も。
スパイスとの相性が良いナチュールワインや遊び心たっぷりのクラフトビールを揃える
店内にはソムリエである齋藤氏が泡、白、赤、オレンジ、ロゼのワインをグラスで常時12種類、ボトルで50種類以上厳選して用意している。しかしながら、「ワインメニューはあってないようなもので、お客様とコミュニケーションを取りながら好みに合うものを提供します」と齋藤氏。スパイスとの相性を考えて、優しい味わいでアロマティックな香りのワインを多く揃えつつ、最後はパーソナライズしたサービスを大切にしているという。
ワイン以外には、クラフトビールやネパールのお酒を使ったカクテルも提供。ネーミングやパッケージに特徴があって、ドリンク単体でおいしく楽しめるものをセレクトしており、食通たちからも支持される。
左から「ネパールアイス」880円、「渋谷区限定渋生ビール」1,089円、「GUAVA GOSE」1,650円、「BURDOCK ALT BIER」1,375円、「ソーネンヒル / IPA」1,375円
ランチでは、ダール(挽いた豆のスープ)とバート(ご飯)に加え、日替わりモモやサラダがセットになった定食「ダルバートセット」(1,320円)を限定で提供。特に近所の方から人気を博している。
営業時間は12時から24時(金土は26時半)まで。通し営業を行っているため、昼飲みからゼロ次会、ディナー、そして2軒目利用まで、幅広いシーンで活用されている。利用シーンは幅広いものの、客単価は平均すると7,000円程度となっている。
