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川崎で坪月商60万円越えの『魚炉魚炉』。チェーン優勢の街で成功できたワケ

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株式会社Sunriseの菊池厚志氏

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魚介料理を扱う『鮮魚と炉端焼き魚炉魚炉』や、そば業態の『十割そば天ぷら相馬庵』など、川崎市内に7店舗を構える株式会社Sunrise。高いところで坪月商は60万円を超えるなど、いずれも連日賑わう人気店だが、チェーン店が多い川崎においてどのような戦略でここまで躍進したのだろうか。株式会社Sunrise代表の菊池厚志氏に話を伺った。

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ビジネスの柱となる「海鮮居酒屋」業態の『鮮魚と炉端焼き魚炉魚炉 総本店』

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自己資金50万円で独立。「5年で5業態」を目指すもコロナ禍で方針転換

川崎市にある蕎麦屋を営む両親のもとに生まれた菊池氏。とび職や塗装業などの職場を転々とした後、20歳ごろからアルバイト時代に手ごたえを感じた飲食の道へ本格的に参入した。そこで出会ったのが、型無株式会社の矢野潤一郎社長。東京・学芸大学駅にあった串揚げ店を業務委託で任せてもらい、経験を積んだ。2014年、自己資金の50万円と融資を元手に独立。川崎駅から徒歩15分ほどの場所に8坪の物件を借り『串揚げ 華火』(現在売却済み)をオープンさせた。

既存店同様オープンキッチンながら、シックで落ち着いた内装の『川崎魚炉魚炉寿し』

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翌年には2店舗目の『華金』を川崎駅前にオープン。その後は「5年で5業態」という目標を掲げ、年に1店舗ペースで出店を重ねた。

しかし、4店舗目の炉端焼き業態で状況は一転。ビルの4階立地で100席という大箱への初挑戦、そしてパンデミックの到来で菊池氏は窮地に追い込まれてしまった。

コロナ禍では先輩が手掛けるからあげブランドのフランチャイズ展開を手伝うなど、勉強の時間にあてた菊池氏。当初掲げていた「5年で5業態」ではなく「選択と集中」のフェーズにシフトする。「海鮮居酒屋」と「蕎麦屋」をビジネスの二本柱に据え、「100年愛されるブランドを作る」ことを新たな目標に掲げるようになった。

遠火強火でじっくり焼き、ふっくらと仕上げる「鮮魚一本焼き」(時価)は「魚炉魚炉」ブランドの名物

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「海鮮炉端焼き」×「接客力」で、チェーン店が多い川崎で差別化に成功

ビジネスの柱となる「海鮮居酒屋」業態が、『鮮魚と炉端焼き魚炉魚炉(ぎょろぎょろ)』をはじめとした「魚炉魚炉」ブランドだ。2018年当時「川崎にまだない業態を作りたい」という思いのもと、オープンカウンターで豪快な炉端焼きが目の前で楽しめるお店として開業し、いまや幅広い世代から支持されている。

川崎駅東口にある『鮮魚と炉端焼き魚炉魚炉 総本店』は丸型カウンターが印象的な店舗で、38坪74席で月商1,500万円、坪月商39万円。食べログのネット予約件数では、川崎エリアで1位を取ることも少なくない人気店だ。

『鮮魚と炉端焼き魚炉魚炉 京急川崎店』は11.5坪で28席ながら、月商700万円、坪月商60万円とこちらもかなりの繁盛ぶり。客単価はどちらも4,500〜5,000円程度で、20代後半から40代が多く来店しているという。

同社の強みは「接客力」と「クオリティの高い料理」だ。

「川崎の繁華街となる銀龍街と仲見世通りは家賃が高いため、チェーン店が多い。そのため、うちの会社では接客力を高め『チェーン店に行かなくなった人たち』をターゲットにしようと考えました。覆面調査の点数をお客様満足度と定義して、この点数を上げるために、サービス講師を呼んで教育してもらっています。お客さまのお出迎え、料理説明、中間接客、お見送りができているか、環境整備点検など、毎月見直しをしていますね。『当たり前の基準を上げる』を今年の会社のスローガンにしています」と話し、基礎を愚直に積み上げて接客力を上げているようだ。

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中森りほ

ライター: 中森りほ

グルメ系ウェブメディアの編集・ライターを経て2017年よりフリーライター&編集者として活躍。『食べログマガジン』『Web LEON』『Numero.jp』などで、グルメや旅記事を執筆中。