新米シーズンも値上げ&コメ不足。ご飯おかわりサービス廃止の飲食店も
秋といえば新米の季節だが、依然として米の品薄状況が続いている。スーパーマーケットでは新米はおろか、令和5年産米も貴重な存在となり、保存用のパックご飯ですら手に入れるのが難しい。入荷されたとしても「一人〇個まで」など購入制限がかかっている。
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猛暑による品質低下、インバウンド増加、外食好景気、買い占めなどが原因
現在の米不足の背景には、いくつかの要因があるという。東京都の米店に尋ねたところ店主は「2023年の猛暑による米の品質低下、円安によるインバウンド需要の増加、外食産業の景気回復による需給バランスの崩れ、南海トラフ地震への不安による米の買い占め、令和5年産と6年産新米の入れ替え時期で5年産在庫が少なくなったことなどが要因として考えられている」と分析する。
「ご飯おかわり無料」サービスを廃止する飲食店も
コメの品薄状況を受けて、飲食店でも変化がみられる。とんかつと豚肉料理のお店を全国に展開する株式会社平田牧場は従来行っていた「ご飯おかわり自由」のサービスを、2024年9月1日よりを「ご飯大盛無料(おかわり50円)」へと変更した。このほかにも全国各地の飲食店で、ご飯のおかわり無料や大盛り無料サービスを変更、廃止する動きがみられている。
コメ農家の倒産・廃業が過去最多を更新。新米は1kg150円上昇見込み
そんな状況に拍車をかけるかのように、米作農家(コメ農家)の倒産や廃業が急増している。「帝国データバンク」の調査によると、2024年1~8月に発生したコメ農家の倒産(負債1000万円以上、法的整理)が6件、休廃業・解散(廃業)が28件発生し、計34件が生産現場から消滅した。倒産・廃業の件数は2023年通年の件数(35件)を大幅に上回り年間最多が確実で、初の年間40件台到達も想定されている。
一部では9月上旬より令和6年産の新米が出回り始めたが、かなりの高価格で販売がスタートした。東京都にある米店の店主は「今年の新米は令和5年産米に比べ、1キログラムあたり150円以上の上昇になる」と予想する。
9月に入るも猛暑日が続き、気候的にも秋を感じられないが、食の面でも秋を感じるのがなかなか難しい昨今。「令和の米騒動」にまだまだ悩まされそうだ。
