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用賀、三茶、駒沢で話題の居酒屋『スタンドS』。大ヒットの秘訣は“永続的コミュニティづくり”

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3店舗の『スタンドS』を運営する株式会社PLACEの代表、清水克彦氏

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2019年3月に『用賀スタンドS』、2020年10月に『三茶スタンドS』、そして2023年4月に『駒沢スタンドS』と、東急田園都市線沿いで出店攻勢を続ける居酒屋『スタンドS』。それぞれで地元客の心をしっかりと掴み、3店舗の平均坪月商は約44万円と絶好調だ。これほどまでに地域で愛される理由はどこにあるのだろう? 店づくりの秘訣を株式会社PLACEの代表、清水克彦氏に聞いた。

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住宅街に的をしぼり、地域密着型の酒場に

駒沢大学駅から徒歩3分、オープンから1年半ですっかり地域に根付いた『駒沢スタンドS』。系列店では最も広い15坪という広さながら、現在の坪月商43万円と売上は右肩上がり。隠れ家的な場所にある『用賀スタンドS』や『三茶スタンドS』とは異なり、国道246号沿いの好立地で賃料も割高というが、早くも経営は軌道に乗っている。

13.6坪で坪月商36万円の『用賀スタンドS』、7.8坪で坪月商52万円の『三茶スタンドS』と、それぞれ大人気の『スタンドS』に共通するのが出店場所。あえて繁華街ではなく住宅地に的をしぼり、近隣住民のリピーターを増やす戦略だ。

そもそもグローバルダイニング出身であり、前職では大箱のレストランを手がけてきた清水氏。独立に至った理由にも「日常的に使ってもらえる店を作りたい」との思いがあった。

お客との距離が近い、コの字のカウンターへのこだわり

『スタンドS』は出店場所だけでなく「近くにあったらついつい通っちゃうよね」とのコンセプトも共通。それを体現するものの一つとして、清水氏がこだわるのがコの字カウンターだ。

「これからの飲食店に求められるのは、スナックのような親近感のあるスタッフの人柄とコミュニティだと思うのです。地域の方々のコミュニティの場になれば、街に必要な存在になり、地域の発展にも貢献できる。それが結果的に店の繁盛と永続的な経営につながると考えています。その第一歩としてお客様とスタッフの間、そしてお客様同士の距離を縮めるには、コの字カウンターがぴったりだと考えました」

お客の情報をスタッフ全員で共有しているのもコミュニティづくりのポイント。すべてのお客の名前と顔を一致させることができなくても、前回の来店時の話や苦手な食材など、会話のきっかけになる情報を少しでも頭に入れておくことでコミュニケーションがとりやすくなる。それが“ついつい通っちゃう”という動機づけにつながる訳だ。

「店内がいっぱいでも、自発的にスペースを作って他のお客様を呼び入れてくれる方がいたり、『どこでもいいから』とサービス用のカウンターで飲む方がいたり。スタッフが休日に常連の方と飲みに行くこともあり、お客様と家族のような関係が築けています」

コの字カウンターでも座れる『駒沢スタンドS』。家族連れが多いことを見越してソファ席も3卓用意

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難波美枝

ライター: 難波美枝

ライター・エディター。プロ向けのフランス料理専門誌の編集部におよそ10年在籍した後、フリーランスに。料理雑誌やワイン専門誌、Webなどで星つきレストランからビストロ、バルまで、幅広く取材。