坪月商40万円超えを連発する『炭火焼き リリー』。ジャブ100連発で新宿店も絶好調!
「バズり」「映え」「旨い」「簡単」「誰でもつくれる」を重視
『炭火焼き リリー』は業態の骨格を代表取締役CEOの中田匠氏が組み立て、商品開発などの細部を取締役・総料理長の榎本薫氏が詰めている。
新宿店のフードメニューは「原始焼き」「手巻き」「鮨」「逸品」など8カテゴリー65品をラインナップ。手巻き鮨の商品数をやや拡充している他は渋谷店のメニューを踏襲している。それだけメニューの精度が高いといえるが、その商品開発において榎本氏は「『バズり』『映え』『旨い』『簡単』『誰でもつくれる』の5点を常に意識しています」と説明する。
「映えるだけで品質がともなわない商品はもちろん駄目ですが、その2点を兼ね備えた商品をつくるのはさほど難しくない。難易度が高いのは『簡単』、『誰でもつくれる』という条件を兼ね備えていることです。渋谷店の1日平均客数は85人。フードの柱である原始焼きと握り鮨の調理は社員スタッフが担当していますが、その他はアルバイトスタッフがピーク時にも品質にブレが出ない商品をつくらなくてはいけませんからね」
この5つの条件が揃った大ヒットメニューが「果実の生ハムチーズ」(870円)だ。フルーツをクリームチーズと生ハムで包んだ商品だが、ポイントはカットして提供すること。「いわゆる『断面見せ』のテクを活かしているわけです。カットすることによってフルーツ、チーズ、生ハムの色が映えます。生ハムで包むところまで仕込んでおけるため、注文後の調理はカットするだけ。シンプルな料理ですが、これに匹敵する商品はなかなかつくれません」と榎本氏は苦笑いする。
専用ホルダーの活用で手巻き鮨を「簡単に」「見映えする」商品に
『炭火焼き リリー』の名物メニューである手巻き鮨も「簡単」、「誰にでもつくれる」という条件を崩さずに「映える」商品に仕上げる工夫が凝らされている。木製の専用ホルダーの活用がそれだ。その効果は下の写真を見れば一目瞭然。皿の上に直接盛り付けるのと、専用ホルダーの上に盛り付けるのでは手巻き鮨の見映えががらりと変化する。
「鯖の棒鮨」(一貫430円)は炭火で鯖の表面を炙って付加価値を創出。「肉厚 焼き椎茸」(320円)や「燻製牡蠣オイル漬け」(870円)など盛り付けが地味になりがちな料理は彩りが鮮やかな九谷焼の小皿を用いるなど器にもひと工夫している。
また、「和牛ユッケ」(1,530円)、「白レバ刺し焦葱胡麻油」(870円)、「築地 松露の卵焼き 明太子添え」(1,090円)に共通するのが赤、黄色を意識して開発された商品だということ。これは「お客さまの目を惹くのが赤、黄色の料理」(榎本氏)という考えに基づくなど、実にさまざまな角度から1品1品の商品価値を上げるための仕掛けが施されているのだ。
砂場は渋谷店の2倍サイズ。「魅せる焼き場」の機能を強化
これらジャブ100連発の技はメニューのみにとどまらず、内外装やサービスでもポイント、ポイントにプチサプライズを用意している。
特に新宿店は渋谷店の経験を踏まえてプチサプライズの仕掛けをグレードアップ。大きく変えたのが原始焼きの焼き場だ。魚介を差した竹串を立てる砂場のスペースを渋谷店の2倍に拡大。その上に真っ黒な筒状のダクトを設置して「魅せる焼き場」としての機能性をより強化した。
フロアには巨大な盆栽を設置し、それを囲むようにカウンター席、ボックス席、長テーブル席を配置。フロア奥には暖簾をかけた半個室席もあり、盆栽を中心にさまざまな利用シーンに対応できるようタイプの異なる客席を用意している。
