「中華バル×街のワインセラー」で人気の小伝馬町『timsum』。二毛作で抜群の集客力を発揮
料理のオペレーション負荷を下げ、ワインに注力する時間を捻出
料理は現在一部マイナーチェンジを加えているというが、ベースは瀬戸田の新中華レストラン『MINATOYA』の元シェフである鬼崎翔大氏が監修。瀬戸田のレモンと横島のうつみ潮風豚を使った名物の「檸檬焼売」(770円)をはじめ、焼売はOEMのものを使っている。
バリエーションとしては焼売を含む蒸し料理を5種類、前菜8種類、煮物1種類、揚げ物2種類、麺類1種類を展開。どの料理もアルバイトでも仕込みが可能で、営業中は蒸すだけ、茹でるだけ、切るだけなど簡易な調理で済むよう工夫したという。
これについて「やはりワインがメインのお店なので、できるだけフードのオペレーションを簡単にして、スタッフがワインにかける時間やお客さまとコミュニケーションをとる時間を増やしてほしかったんです。加えて長時間労働になりやすい飲食業界でも、スタッフの働きやすさを追求したかった。そのためなるべくフードはおいしいけれど簡単に作れるものに絞っています」と鈴木氏は明かす。実際営業中はスタッフ2名で回せているほか、残業はほとんどないと言い、1日8時間労働で休日も月9日、有給も確保できているという。
200種類以上のワインを常備。社内卸で仕入れ値の値下げも
ワインはフランス、イタリアなどの旧世界をメインに、ドイツ、オーストラリア、アメリカ、ニュージーランド、ギリシャ、スロバキア、日本など各国のナチュラルワインを約200種類ほど常備。購入はもちろん、抜栓料を支払ってもらうことで店内でのボトル飲酒もできるほか、グラスワインも10種類ほど揃えている。
ワインは原価が高い上、管理が難しく、ロスが出やすいという難しさがある。これについて鈴木氏は「できる限り安定しているワインを開けるようにしています。新しいワインの場合も、試飲した上で信頼できる造り手やインポーターの話を参考にするようにしていますね」と管理にも気を配る。
最近では、仕入れ値を下げる取り組みも始めた。「良いワインを扱おうと思うと、ある程度の数を仕入れないといけませんが、この店舗だけではさばききれません。そこで社内卸として他拠点へワインを回す体制を構築しました。仕入れる量が多いと、業者さんも価格を下げてくれることがありますね」(鈴木氏)。
またワインを購入するお客に対しても、心配りが深い。「ワインは保管状態や経過時間によって味が変わります。おいしいワインを飲んでほしいので、いつどんなシーンで飲むワインなのかをお客さまにお伺いして、販売するようにしています」と話す。
