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飲食店経営者の必読本紹介|『菊乃井』『龍吟』など星付き料理人の思考と哲学を学べる書籍5選

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画像素材:PIXTA

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木村拓哉氏主演の映画『グランメゾン・パリ』の公開や『ミシュランガイド京都・大阪2025』および『ゴ・エ・ミヨ 2025』の発刊など、昨今、食や料理に関するコンテンツが注目を集めている。自身の哲学をまとめた本を出版する料理人も少なくない。これを機に、第一線で活躍するスターシェフたちの思考に触れてみるのはいかがだろうか。本記事では、一流料理人の哲学が学べる書籍5冊を紹介する。

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村田吉弘・著/『ほんまに「おいしい」って何やろ?』

『ミシュランガイド京都・大阪』の創刊以来、長年にわたり三つ星を獲得し続ける京都の老舗料亭『菊乃井』。その三代目主人である村田吉弘氏が、70年余にわたる「おいしさ」の追求と波乱万丈な人生を綴った一冊が、2024年に出版された。

世界中の美食を食べ歩き、国内外の店舗で数多くのミシュランの星を獲得し続ける村田氏は、まさに「料理界のカリスマ」だ。若き日のパリ生活でフランス料理の文化的な奥深さに感銘を受け、自身の仕事は「日本料理」であると強く自覚したという。帰国後は修業先でいじめに遭いつつも、人が嫌がることこそ率先して行う姿勢で実力を認められ、料理人としても経営者としても成長を遂げていく。

「金さえ出せば美味しいものが食べられる」といった風潮や、タレントが大げさに「美味しい!」と叫ぶテレビ番組など、昨今のグルメブームに一石を投じながら、「おいしさ」の本質を追求する村田氏。その歯に衣着せぬ語り口で、食の世界の真髄が描かれている。

・『ほんまに「おいしい」って何やろ?』

山本征治・著/『日本料理 龍吟』

『龍吟』のオーナーシェフであり、『ミシュランガイド東京』で14年連続三つ星を獲得している山本征治氏による著作。「『理(ことわり)』がなければ、『料理』とはいえない」という信念のもと、日本料理への情熱や哲学を、熱量の高い言葉で表現している。

「日本料理とはなんぞや」といった問いを突き詰めるコラムや、個々の料理における技術論が詳細に記載されている。単なる料理の指南書にとどまらず、日本料理の本質やその奥深さに触れることができる一冊だ。

・『日本料理 龍吟』

鳥羽周作・著/『おいしいをつくる思考法』

2018年7月、東京・代々木上原にオープンしたレストラン『sio』のオーナーシェフ、鳥羽周作氏の料理と経営の哲学に迫る一冊。SNSフォロワー総数90万人を誇り、料理界の枠を超えた知名度と人気を持つ鳥羽氏は、全国各地にさまざまな業態を展開。どの店舗も予約が殺到する人気店となっている。

本書では、その成功の秘訣を多角的に分析。美味しい料理を生み出すロジックや食材との向き合い方といった料理哲学から、チームの作り方、立地・物件の選定基準、売上や給与の伸ばし方まで、経営者としての視点も詳細に語られる。鳥羽氏の実践的な思考法が記された、全ての食のプロフェッショナルが読んでおきたい一冊だ。

・『おいしいをつくる思考法』

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com