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飲食店経営者の必読本紹介|『菊乃井』『龍吟』など星付き料理人の思考と哲学を学べる書籍5選

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石川拓治・著/『三つ星レストランの作り方 嚆矢の天才シェフ・米田肇の物語』

ミシュラン史上最速で三つ星を獲得したレストラン『HAJIME』の天才シェフ、米田肇氏の波乱万丈な半生を描いたノンフィクション。1972年大阪生まれの米田氏は、近畿大学理工学部電子工学科を卒業後、電子機器メーカーに就職するという異色の経歴の持ち主だ。その後、料理の道を志し、エコール辻大阪に入学する。

米田氏は関西の有名フランス料理店や、フランス・ロワール地方の星付きレストランで修業を重ねた後、現代フランス料理界の巨星ミシェル・ブラスが北海道に開いた『ミシェル・ブラス トーヤ ジャポン』で肉部門のシェフを務めた。そして2008年5月、オーナーシェフとして大阪に『HAJIME』をオープン。2009年10月、開店後わずか1年5か月でミシュラン史上最短となる三つ星を獲得した。本書では米田氏の半生に加え、最先端の現代料理の奥深さや、『ミシュランガイド』が果たした歴史的役割なども描かれる。

・『三つ星レストランの作り方 嚆矢の天才シェフ・米田肇の物語』

今⽥洋介・著/『銀座久兵衛 頂のない山を登りつづける』

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今田洋介・著/『銀座久兵衛 頂のない⼭を登りつづける』

昭和10年の創業以来、日本を代表する寿司店として江⼾前寿司の伝統を守り続ける『銀座久兵衛』。その創業90周年を記念した一冊が、2025年5月15日に発売された。「握り一筋、生涯現役」を胸に誓う二代目主人の今田洋介氏が、伝統を重んじながらも時代の変化に合わせて常に最良を追求する『銀座久兵衛』の歴史と、同店に脈々と受け継がれるおもてなしの精神を掘り下げている。

本書では、初代・今田壽治氏が築いた基盤の上に、二代目・洋介氏が現代のニーズに応じて店を進化させてきた軌跡を紹介。ウニの軍艦巻きを考案した逸話など、江戸前寿司の枠にとらわれない革新性にも光を当てる。また、北大路魯山人や志賀直哉といった文化人から各国の首脳まで、多くの著名人とのエピソードや、「現場第一主義」の信念から時価をやめた話など、『銀座久兵衛』の哲学が随所に散りばめられている。

・『銀座久兵衛 頂のない⼭を登りつづける』

今回紹介した書籍以外にも、料理人による著作は数多く出版されている。一流の料理人やスターシェフの思考法に触れ、自身の仕事にその哲学を活かしてみてはいかがだろうか。

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com