SNSで人気の新店、渋谷『やじろべえEAST』。昭和レトロな空間×個性派せいろ蒸しで話題に
看板メニューは食材の持ち味を引き出す「せいろ蒸し」。日本酒、焼酎との相性も抜群
系列店や競合店と大きく差を付けているのは、名物「せいろ蒸し」。土鍋に野菜や鮮魚、大山地鶏、松坂ポークなどを詰め、大型のせいろで蒸し上げる「せいろ土鍋」(990円~)に加え、小型のせいろを使ったメニューも肉系、魚介系、野菜系と常時20種類前後が揃う。
大ぶりな赤海老をニンニク、ローズマリーで香りづけした「赤海老のガーリックハーブオイル」(935円)や、ほどよく青唐辛子を効かせた「ラムワンタン」(1,100円)、文字通り、アボカドにピリ辛のよだれ鶏のタレを合わせた「アボカドよだれだれ」(825円)など、使用する具材も味付けも様々で、選ぶ楽しみがある。蓋を開けた瞬間に広がる湯気や香りの演出も、お客の心を掴む秘訣といえるだろう。
「せいろで蒸すことで、肉は余分な脂や臭みが抜け、野菜は甘みを増して美味しくなります。食材そのもののおいしさが伝えられるうえ、揚げ物よりもヘルシーで、罪悪感があまりないのも魅力。『せいろ土鍋』は、残った出汁をお茶漬けなどにして〆るのもおすすめしています」
実はこれまでせいろに挑戦したことがなかったという出野氏。試作をしてはスタッフに食べてもらい、意見を聞きながらメニューを構成していったという。現在は自社農園で栽培した野菜を使用しているが、5月からは神奈川県三浦市産の野菜も登場するなど、季節感を取り入れたメニュー展開を予定している。
この他にも、いわゆる酒のアテから焼き物、揚げ物、旬の鮮魚類とメニュー総数は50を超え、「ちょっと1杯」から「仲間と賑やかに」、そして「しっかり食事がしたい」まで、多様なニーズに応えるラインアップだ。
なかには、天草の郷土料理でタコを味噌で和えた「ぶたあえ」(852円)や、北海道の珍味でヤナギダコの卵巣を醤油漬けにした「たこまんまの醤油漬け」(770円)といった珍味も並び、「今後はこうした郷土料理も取り入れていきたい」と意欲を見せる。
ドリンクは「ビール」、「ハイボール」、「酎ハイ」、「サワー」など、こちらも多彩な品ぞろえ。界隈のニーズを知り尽くした出野氏ならではのセレクトといえるだろう。
特に出野氏が好きだという日本酒は「辛」「旨」「甘」「泡」の4カテゴリで全21種(1合990円~)、焼酎は「芋」「麦」「米」「黒糖」など8カテゴリ全26種(1杯605円~)。
「これまで飲んだことがない酒と出合う場所になれたら、という狙いもあります」
