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最大450万円の「IT導入補助金2025」。概要と申請方法、飲食店での活用例を紹介

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中小企業や小規模事業者の業務効率化、DX化に向けたITツール導入を支援する「IT導入補助金2025」の第2次公募締切が、6月16日に迫っている。業務効率化が課題となっている飲食店事業者にとっては、ITツール導入を検討する好機といえるだろう。本記事では、「IT導入補助金2025」の概要と申請方法、飲食店での具体的な活用例を紹介する。

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「IT導入補助金2025」の概要と申請枠

独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が実施する「IT導入補助金2025」は、事業者の目的や課題に応じて複数の申請枠が設けられている。代表的なものとして、幅広い業種・業務に対応する「通常枠」、インボイス制度に対応した会計ソフトなどを対象とする「インボイス枠」、サイバー攻撃への対策を支援する「セキュリティ対策推進枠」、複数社が連携してDX化を図る「複数社連携IT導入枠」などがある。

補助対象はソフトウェアの購入費だけでなく、クラウドサービスの利用料(最大2年分)なども含まれる。ただし、補助対象となるのは、あらかじめ事務局に登録された「IT導入支援事業者」が提供するITツールに限られるため、注意が必要だ。

申請対象者は、業種ごとに資本金の額や従業員数で細かく定義されているため、自社が対象となるか公式サイトでの確認が必須だ。参考として、飲食業が含まれる「サービス業」の場合、中小企業は資本金5,000万円以下または常勤従業員100人以下、小規模事業者は常勤従業員5人以下といった基準が設けられている。

なお、補助額は下限5万円からで、申請枠や導入するITツールの機能、価格などに応じて最大450万円までとなっている(複数社連携IT導入枠は最大3,000万円)。補助率も2分の1から4分の3など、申請枠や事業者の条件によって細かく定められている。

申請から補助金交付までの流れ

「IT導入補助金2025」の申請から補助金交付までの大まかな流れは下記のとおり。

1)事前準備:gBizIDプライムアカウントの取得、「SECURITY ACTION」の実施(自己宣言)などを行う。
2)ITツール選定:IT導入支援事業者と相談しながら、自社の課題に合ったITツールを選定する。
3)交付申請:IT導入支援事業者と共同で事業計画を作成し、事務局へ交付申請を行う。
4)ITツール導入:事務局から「交付決定」の連絡を受けた後、ITツールの契約・発注・支払いを実施する。
5)事業実績報告:ITツール導入後、実際に支払いを行ったことが分かる証憑などを揃えて事業実績報告を行う。
6)補助金交付:報告内容が確定した後、補助金が交付される。
7)事業実施効果報告:補助金交付後、一定期間にわたり導入したITツールの活用状況などを報告する。

交付申請の受付は3月31日から始まっており、現在(2025年6月11日時点)は第2次公募の締切(6月16日17:00)が間近に迫っている。この締切に間に合わない場合でも、第3次公募の締切(7月18日17:00)が予定されている。ただし、gBizIDプライムアカウントの取得には2~3週間程度かかる場合があるため、補助金の活用を検討している事業者は、早めに準備を進めるのが賢明だ。

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セルフオーダーシステムやセルフレジなど、飲食店でのITツール活用例

飲食店でのITツール活用例としては、まずセルフオーダーシステムやセルフレジ・POSレジの導入が挙げられる。人手不足の現在において、セルフオーダーシステムは従業員の業務負担を軽減し、店舗の回転率向上にも貢献する。また、セルフレジ・POSレジを導入すれば、会計時のミスが減少するだけでなく、売上データを分析することで食材ロスの削減にも繋げられるだろう。

このほか、予約管理システムを導入すれば、予約の重複や聞き間違いといったミスを防ぎ、電話応対に割かれていた時間を他の業務に充てることが可能になる。顧客管理機能を活用することで、リピーター率の向上も期待できる。

原材料費の高騰や人手不足といった課題を抱える飲食店にとって、ITツールの導入は生産性向上に直結する有効な施策だ。「IT導入補助金2025」の公式サイトには、補助対象となるITツールの一覧や、さまざまな業種での導入事例が掲載されている。これらを参考に、自店舗に合ったツールの導入を検討してみてはいかがだろうか。

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富江弘幸

ライター: 富江弘幸

ビールライター、編集者。出版社などでライター・編集者として活動し、中国留学、英字新聞社勤務などを経てビールライターに。ビアジャーナリストアカデミー講師も務める。著書に『教養としてのビール』(SBクリエイティブ)。https://localandbeer.com