『代々木上原 方程式』が考える現代の“町寿司”とは? 街のニーズを追及して大ヒット!
2024年2月にオープンした『代々木上原 方程式』は、“新しい町スシ”をコンセプトに掲げる寿司居酒屋。店名にある通り、店があるのはグルメ激戦区として知られ、多くの食通が集う代々木上原。街に合わせた店を作ったというプロデューサー・遠藤育巳氏とオーナー・近藤大輔氏に話を聞いた。
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お客によって好みもニーズも千差万別。その人なりの「方程式」を見つけたい
代々木上原駅の目の前、ビル2階に構える店舗は、外観だけでは寿司店とは思えないだろう。扉を開ければ店内には90年代J-POPが流れ、内装もカフェやビストロを思わせるような雰囲気。カウンターに立つ遠藤氏はエプロンをまとい、人懐っこい笑顔を見せる。多くの人が「寿司店」と聞いて思い浮かべるイメージとは、かなり違っているのではないだろうか。
いかにも寿司店然とした“和”の空間にはしたくなかったという遠藤氏は、高校時代から飲食業界で働きはじめ、和食店やイタリアンレストランで腕を磨いた経験を持つ。
「実は27歳の時に、地元から近い宇都宮で和食の店を出したんですが、大失敗してしまって(苦笑)。一度は料理から離れたものの、やっぱりこの仕事が好きで。料理をしている時間はあっという間に過ぎていくんです」
そんな遠藤氏が寿司に挑戦したのは、ここ数年のこと。初めの頃は独学で、YouTubeで配信されているネタの切りつけや握り方を観ながら独学で学んだのだとか。和食で培った経験に加え、センスもあったのだろう。その後、アルバイトとして入店した『ヒカリモノ 鮨とツマミ』では、1か月も経たない内にカウンターに立たせてもらえるように。いずれは独立をと考えていたが、縁あって近藤氏と出会い、想定していたよりもかなり早く独り立ちする運びとなった。
開業にあたって掲げたコンセプトは“代々木上原に集う人に愛される店”。20年以上にわたり、代々木上原の移り変わりを見てきたという近藤氏は、「最近では高級住宅街や、おしゃれな街として取り上げられる機会が増えていますが、実際はアットホームで、“下町”っぽさがある。長く住んでいる方も多く、人情味にあふれています」と話す。
一方で、古くから経営者やクリエイター、アーティストなどが集う街でもあり、どこかこなれた印象も。「僕自身、代々木上原で働くようになって改めてこの地に住む人、集まる人の“感度の高さ”を感じて、ありきたりの店とは違う、居心地のいい店を作りたいと思いました」と遠藤氏。『方程式』という店名は、寿司1貫、お酒1杯から自由に選べ、一人ひとりに合った“方程式”を導き出せたらという思いから名づけたという。
30~50代をメインターゲットにしており、客単価は6,000~7,000円、平均月商は約300万円。当初は集客に苦戦し、InstagramやTikTokによるPRも考えたが「僕が考えるコンセプトと違うなと。来てくださったお客様を満足させることができたら、自然と受け入れられ、広まっていくのではと思いました」と遠藤氏。言葉通り、徐々に口コミで店の評判が広がり、改めて“地元の口コミ”の強さを実感したという。





