坪月商72万円を売る『釣宿酒場マヅメ 野毛本店』。緻密な「顧客体験設計図」が成功に導く
関東7店舗、関西3店舗を展開する『釣宿酒場 マヅメ』は、株式会社ダイナックが運営していた海鮮居酒屋『魚盛』を業態転換し、2022年に生まれた大衆酒場。その中でも『釣宿酒場 マヅメ 野毛本店』は月商1,500万円、坪月商70万円超という大盛況ぶりだ。今回は業態転換にあたり、新たな顧客体験設計図を描き、繁盛店を作り上げた株式会社ダイナックの飯野健二氏と志田淳一氏に詳しい手法をうかがった。
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『釣宿酒場 マヅメ』の顧客体験が創る独自の価値
2022年9月、横浜の桜木町駅から徒歩2分の「桜木町ぴおシティ」地下2階にオープンした 『釣宿酒場 マヅメ 野毛本店』。「都会にいながら“釣り魚”をリーズナブルに楽しめるお店」として連日賑わいをみせている。
業態開発の指針となったのは、コンセプトを軸とした顧客体験設計図。鮮魚がその場でさばかれる臨場感や活気、スタッフたちの明るさやウェルカム感などが、大きな価値を生み出している。
「ご来店いただいたら、都会ではなかなか食べられない新鮮でおいしい釣り魚や地魚を手頃な価格で思いっきり味わってください。さらに活魚を神経締めしてさばくイベントやスタッフのサービスで、『釣宿酒場 マヅメ』ならではの雰囲気を体験いただきたいです。お帰りになる時には、お客さまに『元気が出た』と感じていただける店づくりを心がけています。そのすべてが私たちの描いた顧客体験設計図です」と飯野氏と志田氏は話す。
顧客体験設計(CXD)とは、顧客の視点から行動や感情を具体的に想像し、そのシナリオにそった方向に企業側が導く手法である。
コロナ禍で誕生! 野毛本店の行列を生む人気の秘密
飲み歩きやハシゴ酒文化が浸透している野毛界隈。『釣宿酒場 マヅメ 野毛本店』でも店内滞在時間は平均1~1.5時間と比較的短い。そのため、スタッフは飲食中にあえて積極的には話しかけず、適度な距離感をキープ。入店後、メニューを決めている10分程度の間に、魚種の説明や食べ方、おすすめメニューなどを中心に、気さくにコミュニケーションを取るという。
こうした短い時間に集中して「お食事をお楽しみいただく」という接客姿勢が功を奏し、直近ではGoogleのクチコミで月間50件以上の高評価を獲得。サービスを担当したスタッフの名前を直接記載して「楽しかった」「おいしかった」とお礼を伝えるお客もいるそうだ。
12:00~22:00の通し営業をしている店内は、平日でも時間帯によっては満席、週末は開店前から行列ができるほどの人気に。約21坪46席という規模で、月商約1,500万円、坪月商72.2万円をたたき出している。
