坪月商72万円を売る『釣宿酒場マヅメ 野毛本店』。緻密な「顧客体験設計図」が成功に導く
もう1杯飲みたくさせる「どん安」体験設計図
現在、『釣宿酒場 マヅメ 野毛本店』の客単価は一人あたり2,300~2,400円程度。ドリンクの注文数は一人あたり3.8杯となっている。
特徴的なのは「どん安」というシステム。人気のハイボールやレモンサワー、お茶ハイなどのドリンクが1杯目439円、2杯目329円、3杯目219円と、注文するごとにどんどん安くなるという仕組みだ。
これによってお客は「安くなるからもう1杯」というように考え、1~1.5時間と比較的短い滞在時間でも通常より1杯多めに飲んでしまうという。
「『どん安』は、お客さまも私たち店側もお互いにハッピーになれるとてもよいシステムです。お客さまは飲めば飲むほど安くなりますし、店側としてもドリンクが多く出れば原価率を抑えることができます」(志田氏)
安さにこだわりながら、ドリンクの注文数で原価率を調整。結果的にフードとドリンクを合わせた原価率は、32%をキープしているそうだ。
新業態『めのじ』も坪月商79万円! さらに広がる“釣り魚”の可能性
『釣宿酒場 マヅメ 野毛本店』がある「桜木町ぴおシティ」地下2階は、昼からでも気軽に飲める飲食店が立ち並ぶ“昼飲み天国”。そのニーズを見込み、株式会社ダイナックが2024年10月にオープンしたのが『大衆すし酒場 めのじ』である。
『釣宿酒場 マヅメ』のコンセプトを踏襲し、新鮮な釣り魚や珍しい地魚を活かした寿司を1貫108円~、揚げたての天ぷらを1品108円~とリーズナブルに提供中。こちらも17坪35席で坪月商79万円と、すでに大繁盛店となっている。さらに同社は、この『大衆すし酒場 めのじ』のビジネスモデルをパッケージ化し、販売もスタートさせた。
“釣り魚”という具体的なワードからコンセプトが生まれ、そこから描かれた顧客体験設計図。誕生した二つの新業態は、都会にいながらにして、常に新鮮でおいしいものをリーズナブルに楽しみたいという人々の心をしっかりと掴む。顧客体験設計をベースとした成功モデルは、今後さらに飲食業界の可能性を広げていきそうだ。
『釣宿酒場 マヅメ 野毛本店』
住所/神奈川県横浜市中区桜木町1-1 桜木町ぴおシティB2F
電話番号/045-211-4977(予約不可)
営業時間/12:00〜22:00
定休日/ビルの休館日に準ずる
坪数・席数/約21坪46席
『大衆すし酒場 めのじ』
住所/神奈川県横浜市中区桜木町1-1 桜木町ぴおシティB2F
電話番号/045-323-9561(予約不可)
営業時間/12:00〜22:00
定休日/ビルの休館日に準ずる
坪数・席数/17坪35席







