『松屋』3年連続で10%台の賃上げ! 「同僚評価」による新給与制度は個人飲食店のヒントになるか?
牛丼チェーンを運営する松屋フーズが、2026年4月の給与改定において、正社員約2,000人のベースアップと新卒初任給の引き上げを実施すると発表した(参照)。10%台の大幅な賃上げに加え、従業員同士で仕事ぶりを評価しあう新制度の導入も明らかにし、業界内外から注目を集めている
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3年連続の2桁賃上げ。大手チェーンが「人への投資」を急ぐ背景
同社は4月より、大卒初任給を26万5,000円から27万円へ引き上げるほか、ベースアップ・定期昇給分などを加えた計6.13%の賃上げを実施する。住宅手当の増額や期末賞与の支給などを含めた実質的な賃上げ率は、最大10.06%に達する見込みだ。2024年の10.9%、2025年の10.12%に続き、3年連続で10%台の賃上げを実現することになる。
今回の決定について同社は、「人財育成と事業体制強化を目的とした従業員満足度(ES)向上施策の一環」と説明している。
賃上げは物価高への対応や、従業員の意欲の向上だけが目的と思われがちだが、人材確保の観点からも極めて重要だ。継続的な「人への投資」は、採用市場での競争力を維持するための戦略と言えるだろう。
1pt=1円で給与に!「褒めあう文化」が離職を防ぐ仕組み
単なる賃上げは、当然ながら企業収益を圧迫する側面もある。そのため、セットでの生産性向上が不可欠だ。同社では、給与改定に合わせて「評価制度」の改革も同時に進めるという。
評価制度の基盤となるのは「褒めあう文化」だ。従業員は、仕事ぶりを評価したいと感じた同僚に対し、自分に割り当てられたポイントを付与できる。受け取った側は「1ポイント=1円」として給与に反映される仕組みで、まずは店長などの店舗社員から導入される。
上司からの一方的な評価は、どうしても主観や先入観に左右されやすく、「不当だ」と感じてしまう従業員も少なくない。同僚からの評価を給与に連動させることで、現場の納得感を高める狙いがあるようだ。
個人店での人事評価の方法はさまざまだが、売上などの数字やスキル向上ばかりを重視すると、お客の心に寄り添う姿勢や、チームワークがおろそかになりかねない。
「この人と働けてよかった」「その行動は見習いたい」。そうした現場の小さな頑張りや気遣いを、目に見える形で還元する仕組み。それは、個人オーナーが経営する飲食店にとっても、人材定着の大きなヒントになるのではないだろうか。











