急加速する日本茶需要。西荻窪『Satén』と紐解くインバウンドのニーズと日本茶のこれから
昨年、年間4,000万人を突破した訪日外国人や世界的な抹茶ブームにより、急速な盛り上がりを見せる日本茶。日本茶カフェのパイオニアとして国内外から高い人気を得る、西荻窪『Satén japanese tea(サテン ジャパニーズティー)』のオーナー・小山和裕さんは、2025年、日本茶は新たな世界線に入ったと語る。来日の目的にもなり始めた日本茶ブームの動きと日本茶の未来を、小山さんと共に探った。
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目指したのは、コーヒーのように気軽に日本茶が飲めるスタンド
西荻窪駅からすぐそばの線路脇に建つ、日本茶スタンド『Satén japanese tea』。趣ある佇まいのその店には、朝からシャカシャカと抹茶を点てる軽やかな音が響いていた。エスプレッソマシンでフォームミルクを仕立て、先ほどの抹茶にそっと注げば抹茶ラテの完成だ。
「もともとバリスタに憧れてカフェの世界に入りました。コーヒーショップや古民家カフェを訪ね歩く中で日本茶に出合い、専門店に通うようになって初めて、多種多様な茶種や淹れ方の違いで、今まで飲んでいた“お茶”の世界が大きく広がることを知ったんです」
そう語るのはオーナーの小山和裕さん。抹茶ラテブームの火付け役・日本茶カフェのパイオニアとして、年間2万人ものお客が訪れる『Satén』を手がけ、さまざまな日本茶イベントや茶器のプロデュース、茶加工品の開発、メニュー監修などを担ってきた。
今でこそ京都や浅草といった観光エリアでよく目にするようになった日本茶カフェや抹茶専門店だが、小山さんが日本茶に興味を持ち始めた2010年代後半当時、カフェ業界はサードウェーブコーヒーの話題で持ち切りだったという。世界大会で賞を獲得したバリスタや、コーヒーの生産国で知見を積んだロースターが活躍の幅を広げ、スペシャルティコーヒー業界は早くもレッドオーシャンに差し掛かっていた。
「なのに、日本茶の世界には同世代がいなくて(笑)。どっちもカフェの時間に飲む飲み物なのに、なんでスペシャルティコーヒーみたいに気軽においしい日本茶が飲めるスタンドがないんだろうという気持ちが強くなっていきました」
コーヒーと日本茶のカフェ『UNISTAND』を経て、『ブルーボトルコーヒー清澄白河』の立ち上げなどに携わった藤岡響氏と出会い、2018年に共同で『Satén』をオープン。茶農家から直接仕入れた茶葉を、その思いと共に1杯に落とし込み届けたいというメッセージを込め、「Leaf to Relief ― 茶葉から一服へ」というコンセプトを掲げた。



