飲食店の外国人採用を成功させるには? 特定技能を活用した『モスバーガー』の育成事例とポイント
外食産業で深刻な人手不足が続く中、在留資格「特定技能」を活用した外国人採用と育成に力を入れる企業が増えている。中でも注目したいのが、『モスバーガー』などを運営する株式会社モスフードサービスが取り組む「ベトナム カゾク」というプロジェクトだ(参照1)。今回は、同社の事例を通して、外国人採用の現状や経営者が押さえておきたいポイントを紐解いてみたい。
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『モスバーガー』が推進する「特定技能」外国人の取得支援プログラム
モスフードサービスが進める「ベトナム カゾク」は、2019年10月にベトナム国立ダナン観光短期大学などと連携して始まった独自の教育プログラムだ。ベトナム人材が「特定技能1号技能測定試験 外食業国内試験」の合格を目指すための支援と、『モスバーガー』店舗で働くための実践的なスキルを習得する「モスフードビジネスカレッジ(MFC)」の講座を中心に展開されている。
MFCでは、経営理念や衛生・食品安全の知識、接客・製造実習などを幅広く学べるほか、日本語教育にも注力している。試験合格後に来日し、国内の『モスバーガー』やグループ店舗でフルタイムの正規雇用者として、最長5年間(特定技能1号の場合)就業する仕組みだ。
『モスバーガー』公式サイトの直近データによれば、国内で働くメンバーは4期生を含めて合計50名を超え、全員が特定技能1号を取得している(2024年12月時点)(参照2)。さらに、在留期間に上限がない「特定技能2号」を取得したスタッフも現れ始めた。外食産業で2号の取得が可能になったのは2023年からで、今後さらなる増加が見込まれる。現在は2号取得者が直営店の副店長として活躍しており、プロジェクト出身者から初の店長が誕生する日もそう遠くなさそうだ。
飲食店の外国人採用を「強み」に変える! 現場のフォローと心構え
外国人採用で何より大切なのは、お客を笑顔にする仲間を「低コストの労働力」として扱わない姿勢ではないだろうか。「ベトナム カゾク」という名称には、その名の通り「家族」として迎え入れる意図が込められており、日本人と同等の正規雇用・待遇での受け入れを基本としている。
採用を店舗の「強み」にするには、その後のフォロー体制と、社内外への情報発信が欠かせない。社外へは、求人票やSNSでスタッフの活躍を積極的に伝えることで、採用ブランディングにもつながる。また、受け入れ前に日本人スタッフへ制度の趣旨を説明しておけば、現場での摩擦も未然に防げるはずだ。
特定技能2号への移行が進むことで、外国人が「短期的な労働力」から「長期的な経営幹部候補」へと変わる。外国人材を長期的に育てる視点は、人手不足の解消だけでなく、店舗の個性を磨くことにもつながりそうだ。外国人採用には課題もあるが、誠実に向き合うことで、運営の力強いパートナーになってくれるだろう。










