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超予約困難店、西麻布『蒼』のすごさの正体。「高鮮度料理」はどうやって生まれたのか?

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「尾藤農産3年熟成北あかりのグラタン」は、今の『蒼』を象徴するひと皿

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削ぎ落した食材の魅力をまっすぐ出す

最近のスペシャリテに加わったのは、じゃがいものグラタン。材料は、牛乳とクリームとじゃがいも、塩とひとかけのニンニクのみ。上にチーズをかけて焼くだけだ。シンプル過ぎる皿である。

「カット、材質、火の入れ方など、試行錯誤を重ねて突き止めた自分なりの細かいルールがあります。じゃがいものグラタンは誰にも負けない、『蒼』の精神性を表すひと皿なんです」

コースに含まれるすべてのパーツがその日の作り立てだ。魚の出汁も 肉の出汁も冷蔵庫に入れることはない。その場で出し終えて、営業が終わると冷蔵庫は空っぽになる。

「長井さかな人 長谷川さんのアカザエビとビスク 焼きたてブリオッシュ」

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「産地から送った食材が店に届くのは翌日。これを獲れたての状態にもっていく。そのためにいろいろな技法を使うのですが、ひと手間をかけないほうがうまくいく場合もあるんです。たとえば、血抜きが必要といわれる魚も、血を活かしたしたほうがおいしかったりする。これを僕らは、『高鮮度料理』と定義しました」

今後は「高鮮度料理」をさらに確立していきたい、と意気込みをみせる峯村シェフ。藤本氏が愛媛にオープン予定のオーベルジュの料理長として、月の半分は現地の厨房に立つ予定だ。

料理界の精鋭が集合して極める、「その瞬間にしか味わえない究極の鮮度」。未来の料理を示唆する「高鮮度料理」の革新的発展に期待したい。

峯村康資(みねむら・こうじ)
1985年長野県生まれ。バーテンダーから飲食業をスタートし、料理もつくれるようになりたいとフランス料理店『サントゥール』の水原弘史シェフに学んだのち渡伊。帰国後ビストロのシェフを10年務め、2020年「蒼」のオーナーシェフとして独立。

『蒼』
住所/東京都港区西麻布3-21-3 オリンピアード麻布霞坂2F
電話番号/03-6434-9829
営業時間/日・月17:30〜23:00、火~土17:00〜19:00/20:30〜22:30
定休日: 不定休
席数/8
https://ao-nishiazabu.com/

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Miki D'Angelo Yamashita

ライター: Miki D'Angelo Yamashita

コロンビア大学大学院国際政治学修士、パリ政治学院欧州政治学修士。新聞社にて、新聞記者、雑誌編集記者、書籍編集として勤務。国際情勢、文化一般を取材執筆。食関連取材、料理本編集多数。