「ゴ・エ・ミヨ 2026」発表。和歌山『ヴィラ アイーダ』小林寛司氏が「今年のシェフ賞」を受賞
フランス発のレストランガイド「ゴ・エ・ミヨ」の2026年度日本版『ゴ・エ・ミヨ 2026』が、3月17日に発売された。これに先立つ同月16日、パレスホテル東京にて発刊授賞式およびガラ・パーティーを開催。毎年大きな注目を集める「今年のシェフ賞」をはじめ、全10の賞が発表されている。
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今年で記念すべき第10号を迎えた『ゴ・エ・ミヨ 2026』
「ゴ・エ・ミヨ」は、1972年にフランスのジャーナリストであるアンリ・ゴとクリスチャン・ミヨが立ち上げたレストランガイド。単にレストランを評価するだけでなく、そこを支える生産者や職人にも光を当てているのが大きな特徴だ。また、新しい才能の発見に情熱を注いでおり、気鋭のシェフをいち早く見出すガイドとしても信頼が厚い。2017年の日本版創刊から数え、今年は節目となる10号目。授賞式では10の賞に選ばれた13組の受賞者が登壇し、会場は華やかな熱気に包まれた。
「ファーム・トゥ・テーブル」の先駆け、小林寛司氏が「今年のシェフ賞」に輝く
自身の才能を縦横に発揮し、斬新かつ完成度の高い、インパクトある一皿を提供し続ける料理人に贈られる「今年のシェフ賞」。その年を象徴する存在として業界内でも熱い視線が注がれるこの賞を、今年は和歌山『ヴィラ アイーダ』の小林寛司氏が受賞した。実家の畑の中に店を構え、自家栽培の野菜を中心に、近隣の豊かな食材を活かした料理を追求してきた小林氏。国内外の料理人と交流を深める中で、2025年7月からはコースの全料理を「完全野菜」にシフト。その妥協のない姿勢と独自の哲学が、今回の栄誉へとつながったようだ。
小林氏は、「これまで“現状維持は衰退である”という思いで店を続けてきました。お客さまが来ない日が1週間続いたこともありましたが、今日このように評価していただけて感謝しかありません」と、これまでの歩みを振り返りながら語ってくれた。
「明日のグランシェフ賞」にも、地方で輝きを放つ2人を選出
確固たる技術をベースに独自の料理世界を築き、今後の日本料理界を牽引することが期待される料理人に贈られる「明日のグランシェフ賞」。今年は、愛知『レストラン レミニセンス』の葛原将季氏と、奈良『SÉN(セン)』の砂山利治氏が選出されている。
葛原氏は、「愛知県を日本屈指の観光都市にすること」を目標に、料理、サービス、空間を磨き上げたグランメゾンクラスのレストランづくりに邁進。『ゴ・エ・ミヨ 2019』での「期待の若手シェフ賞」に続く受賞となった。「前回受賞した際に“もっと頑張れ、伸び代があるぞ”と言われたような気がしました。そのおかげで成長できたと思っています」と、さらなる飛躍を誓っている。
一方、フランスの名店で研鑽を積んだ後、2025年に奈良県天川村で自身の店を始動した砂山氏。河川の流域全体を一帯の文化として捉える「流域料理」を提唱する同氏は、「先人に敬意を払い、食や文化を未来につなげていけるような活動を続けていきたい」と、その志を語った。
名店で技を磨いた次世代の旗手。「期待の若手シェフ賞」
溢れる才能と情熱を持ち、今後の飛躍が期待される新進気鋭の料理人に贈られる「期待の若手シェフ賞」。今年は2人が選出されたが、その1人が徳島『ラームス』の錦野真弘氏だ。イタリアや富山『レヴォ』、神戸『カセント』といった国内外の名店で磨いた技術を武器に、徳島・佐那河内村の豊かな自然を一皿に投影する錦野氏。「いろいろな人に助けられて今の店ができている。今回の受賞は心が引き締まる思いです」と、周囲への感謝をにじませた。
そしてもう1人の受賞者は、浅草『レストラン ナベノ-イズム』のスーシェフを経て、現在は銀座『エスキス』で「シェフ・ド・キュイジーヌ」を務める山本結以氏。「料理は1人では作れないということを日々実感しています。これからも若手や女性に道を示すことができれば」と、次世代への想いを力強く語る姿が印象的だった。
技術と思いを次世代へ。「トランスミッション賞」には『ル・ブルギニオン』菊地美升氏
世代や国境を超えて知識と技術を伝える貢献を称えるこの賞には、西麻布『ル・ブルギニオン』の菊地美升氏が選ばれた。40年のキャリアを誇り、『フロリレージュ』の川手寛康氏、『アマラントス』の宮崎慎太郎氏など多くの名シェフを輩出してきた菊地氏は、「今年で60歳になりますが、もう少し料理人として頑張り続けたい」と、現役としての意欲を新たにしている。









