客単価1200円で月商1000万超! カット売りピザ店『PIZZA SLICE』はなぜ独擅場を走るのか
大切にしているのは、「儲ける」ことよりも「愛される店」であること
順調に見える店舗展開だが、開業当初から明確に計画していたわけではない。社内に店舗開発の専任スタッフがいるわけでもなく、デベロッパーや関係者からの誘いの中で、猿丸氏自身が「PIZZA SLICEのスタイルに合う条件」を基準に場所を選び、出店を決めてきたという。
創業以来、猿丸氏が目指してきたのは、“儲かる店”よりも街に根付き、長く愛される店だ。
「もちろん、儲けが欲しくないわけではありません(笑)。でも、一時的に行列ができたり、注目されたりする店になっても、継続しなければ意味がありません。最近はあえて単価を高く設定した店も増えていますが、そうなると特別な日だけの利用になってしまうでしょう。僕はピザを“日常食”として根付かせたい。だから、価格も含めて、日々の使いやすさを大切にしています」
1カット単位で注文できるニューヨークスタイルのピザは、手軽に楽しめる「B級グルメ」に位置付けていいだろう。そのため、同店では1枚589円~と日常的に手に取りやすい価格を維持している。平均客単価は1,200円前後と決して高くはないが、テイクアウトやデリバリーにも対応することで、月商1,000万円を売り上げることも少なくない。この数字を見れば、いかに多くのお客がこの店を贔屓にしているかは明白だ。
原料費は年々高騰しているが、猿丸氏は「現段階でこれ以上値上げすると、『ピザ1枚でこの値段なら、あと数百円出せば定食が食べられる』と判断されてしまう。できる限り、お客さまの感覚に寄り添った価格設定をしたい」と、ギリギリまで価格を抑える姿勢を見せる。
店でも持ち帰りでも変わらない、おいしさを追及
メニューはほぼ全店共通で、全8種類のピザは直径20インチのものを1/8にカットして提供。シンプルに生地とトマトソース、チーズを味わう「チーズスライス」(589円)をはじめ、「ペパロニスライス」(660円)や「マッシュルームスライス」(660円)など定番をそろえるほか、日替わりの「Today’s スライス」も提供する。
最大のこだわりは、「冷めてもおいしい」ピザを作ることだ。自社でレシピ開発した生地は、テイクアウトやデリバリーでも味と食感が落ちないよう材料の配合を工夫。一般的なニューヨークスタイルの厚めでもっちりした生地は、冷めると硬くなりやすいのに対し、同店では時間が経ってもサクッとした食感が楽しめるのが魅力だ。
また、自家製のトマトソースもじっくり煮込み、甘さを引き出すことで、チーズや生地とのバランスを調整。卓上にはブラックペッパーやガーリックパウダーなどの“味変”アイテムも用意され、好みに応じて味を調整できる。
このほか、ピザ生地を結び目状に巻いて焼き上げる「ガーリックノット」(275円)や「フライドポテト」(429円)、「チキンナゲット」(605円)などのサイドメニューも展開。ランチタイムには、ピザ2枚+ドリンクや、ピザ+サイドメニューのお得なセットも提供しながら、アルコール類も用意することで、夜はもちろん昼飲みを楽しむこともできる。







