訪日外国人を集客するためのWebサービス4選。インバウンド対策は「手軽に!」が合言葉
2015年は2000万人に迫る数の外国人が日本を訪れ、2016年になってもその勢いは止まりそうにない。彼らの訪日目的は、名所巡りやショッピングなど様々だが、世界的に広がっている和食人気の高まりとともに、多くの人が日本で“食べること”を楽しみにしている。
しかし彼らにとって日本での食事は、メニューが読めない、予約ができないなどの問題や、どこへ行けば美味しい料理が食べられるかといったハードルの高い問題も少なくない。と同時に、飲食店側も増えはじめた外国人客の対応に頭を悩ませることも少なくないだろう。そんな悩みを解決してくれる、インバウンドに特化した飲食店向けサービスをいくつか紹介する。

画像は『Japan Gourmetpedia』のキャプチャ
日本食情報を配信する英語メディア『Japan Gourmetpedia』
訪日外国人向けの日本食情報メディア『Japan Gourmetpedia』は、和食の代名詞、寿司や天ぷらなどの解説だけではなく、 日本特有の食材や食文化に至るまでを英語で紹介するWebサイトだ。たとえば食にまつわる小話や、「ソースの二度づけ禁止」「鰹節とは何か」「〆(しめ)を食べるまで食事は終わらない」など、日本ならではのニッチな食習慣を発信している。
また、このサイトの大きな特徴は、 外国人向けのレストラン予約サイト『Tokyo Dinner Ticket』と連携しているところ。記事を見て日本食に興味を持った外国人が、『Tokyo Dinner Ticket』を通じてネット予約をすることが可能になっている。

画像は『団タメ!エクスプレス』のキャプチャ
31カ国から依頼。旅行会社専用の団体予約サービス
団体客を集客するのに最適なのが、ボーダレスシティが運営する『団タメ!エクスプレス』。これは約500社の旅行会社が利用する旅行代理店専用の飲食店予約サービスで、旅行会社が出す団体客の食事の依頼に対し、提携する約2000店舗の飲食店が“立候補”することで予約が成立する仕組みになっている。旅行会社は、空いている飲食店を探したり、メニューを取り寄せたりする手間が省ける一方、飲食店側は旅行会社各社と一社ずつ提携をする必要がなく、また空席がある時間に自ら積極的に提案をすることで団体の集客ができる。
中国、ベトナム、タイ、韓国、シンガポール、インドネシアなどアジアを始めとする31カ国から依頼が来ており、約80%が40名以下の団体で、1団体あたりの平均消費額は9万8000円。予約するのは団体旅行客のため、ほとんどのケースでガイドがついており、飲食店側は外国語メニューを独自に用意しなくてもインバウンド予約を獲得できる。

画像は『多言語メニュー作成支援Webサイト』のキャプチャ
多言語メニューの作成を支援
多言語メニューを手軽に作れる便利なWebサイトも存在する。東京都が運営する『多言語メニュー作成支援Webサイト』では、都内の飲食店なら無料で外国語メニューを作成することが可能。日本語メニューは計12言語に翻訳され、その中から必要な言語だけを選択することができる。メニュー表は豊富なデザインを揃えているので、店のテイストに合ったものを作ることが可能だ。
また、作成したメニューと店舗情報が、12言語に対応した飲食店検索サイトに無料掲載されるので、集客面にもひと役買ってくれる。さらに、指差し会話シートの無料提供も行っており、必要な言語シートを印刷すれば接客時のコミュニケーションツールとして利用できる。

画像は『umami』のキャプチャ
母国語での注文ができる複合的アプリ
注文時のコミュニケーションを円滑に行えるようになるのがこちらのアプリ。『umami』と名付けられたこのアプリは、訪日外国人が母国語を使って注文できるもの。アプリに登録すると多言語対応メニューの作成ができるほか、料理の感想を投稿できるSNS機能も活用できる。
対応言語は英語、中国語(簡体・繁体)、韓国語の4カ国語。このアプリを使うことで、外国人客に対してのメニュー説明が不要になるので、手間が省けることで店の回転率アップにも貢献してくれそうだ。
さて今回はインバウンドに特化した飲食店向けサービスをいくつか紹介した。訪日外国人客を集客するためには、「メニュー表の多言語化」をはじめ様々な対策を行っていく必要がある。手間が掛かる作業ではあるが、上で挙げたようなWebサービスを利用すればその準備を効率化することも可能だ。自分の店に合ったサービスを選んで積極的に活用していきたい。
