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関東と関西の食文化が違うのはなぜ? うなぎ、卵焼きなど10の食材・料理から理由をひも解く

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■関西ではおでんのことを「関東煮(かんとだき)」と呼ぶ
だしとしょうゆの味がしみた関東のおでんと比べて、関西の「関東煮」は甘くまろやかな関西風の味付け。料理スタイルは関東から伝来し、関西風の味で定着したらしい。

■関東は白ネギ、関西は青ネギ…そのほかの野菜は?
関東では白ネギ、関西は青ネギが主流というのは有名だが、そのほかの野菜はどうだろうか? 関東の「春菊」は苦みと香りが特徴の香味野菜。関西では「菊菜」と呼ばれ、葉がふっくらとやわらかく、苦みが少ない。「堀川ゴボウ」「聖護院かぶら」「京菜」「金時ニンジン」など、京都では古くからの伝統野菜が今も栽培されているが、これらは「丸い」「太い」「甘みがある」という特色がある。

■関西では納豆は敬遠される
関西人の納豆嫌いは有名だが、最近は納豆の健康効果が広まって、少しずつ売り上げが伸びてきているらしい。しかし、それでも全国平均を大きく下回っているようだ。嫌いな理由はやはりその独特のニオイらしいが、関西風のさっぱり、あっさりした料理が並ぶ食卓に納豆が置かれると、ひときわニオイが気になるのかもしれない。

食の違いの背景とは?

東西の食文化を比較してみると、全体の共通項が浮かび上がってくる。
・関東は強い香りとしっかり味・・・納豆、マグロ、江戸前寿司、かつおだしなど
・関西はまろやかな甘みと旨味・・・あっさり旨いだしのうどん、タイ、ハモ、昆布など

これらの背景には、「歴史」と「風土」が関係しているようだ。詳しく見てみよう。

■歴史
関東は武士が好む濃い味や、江戸の庶民が好む手間のかからない食べ物が広まった。地元産の野菜や魚が好まれ、また高級さはないものの、初鰹などの“旬”には大いにこだわっていた。
関西は公家の上品な伝統食や、上方商人の洒脱な食が人気を博した。また古くから京都には全国の特産品が集まっていたため、料理のバリエーションも豊富だった。

■風土
関東の土壌はキメが粗く、農作にはやや不向き。また水の硬度は高めである。一方の関西は柔らかな粘土質の土壌、そして水は軟水。これにより明らかな農作物の違いが生まれている。同じ野菜でも関東産は色が濃く香りが強いものが多く、関西産は甘みがあり香りは弱めになっている。

いかがだろうか。関東と関西の食の違いには、それぞれの歴史や風土が色濃く反映されている。こうした背景を少し調べてみるだけでも、いつものメニューがまた違ったものに見えてくるはずだ。料理人の方は、自店のメニューについてその歴史を探ってみると面白そうだ。

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ほんだこはだ

ライター: ほんだこはだ

グルメ、ライフスタイル、旅、恋愛、まちづくりなどの記事を各種サイトに執筆中。大手グルメサイト、ローカルビジネスサイトで多数の飲食店取材を経験。オシャレ食材を家庭料理にして食べるのが趣味。