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飲食店の開業に欠かせない売上予測。利益を生み出すための計画法とは?

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飲食店の開業には「売上計画」や「収支計画」を含む、具体的な「開業計画」が必要だ。ここを現実的に計画できないと、融資をうける際はもちろん、開業後も金銭面で苦労するはめになる。

そこで今回は「売上計画」や「収支計画」の練り方について詳しく紹介。これから飲食店の開業を目指す方はぜひ参考にしてほしい。

飲食店の売上予測の第一歩は、まず基準値を知ること

開業前にどんな店にしたいか、メニューに何を取り入れようかと考えるのは楽しいもの。しかし「売上計画」を練るとなると、急に気が重くなる人も多いだろう。「売上計画」はより正確な数値を設定するのが望ましいが、簡単な目安として以下のような求め方がある。

一坪あたり月間売上高…8万〜14万円
一席あたり月間売上高…5万〜9万円

この数値をもとにすれば、目標とする売上を達成するには、どれぐらいの広さの物件を借りればいいのかがわかるだろう。さらに正確に売上高を求めたいなら、下記の計算式で算出することができる。

売上高=席数×満席率×客席稼働回数×客単価

以下、簡単に用語の説明をしておきたい。

席数……想定している席数を数値として入れる。
満席率……満席時に客がどれだけ席を埋めるのかを表した数値。例えば全20席に対して、実際には10名しか座っていなければ満席率は50%。
客席稼働回数……実際に客の来店が見込める時間を考慮して、客席稼働を考える。計算方法は、「店舗営業時間÷平均滞留時間」。滞留時間については、近隣店舗に視察に行くなど客の流れを見て現実的に考えよう。
客単価……店の業態、コンセプトによって異なる。希望するエリアにある他店舗の価格感を知ることも大切だ。まずはメニュー表を作って合計金額のシミュレーションを。

開業計画を順調に進めるためには、投資額の見積もりが高くなったからといって売上を水増しすることなく、計算を守ることが大切だ。

飲食店の売上予測は3つのパターンを想定しよう

飲食店はずっと同じ売上を維持できるとは限らない。時間帯や曜日によって客層は変わるし、そうすればおのずと数字にも変化が現れる。昼と夜、平日と週末、店内利用かテイクアウトかなど……それらを別々に計算して「月間売上高」を予測するのが良い。さらに、これを3パターン想定しておくことをおすすめする。

1、低調時売上
最低限、これだけは売れるという計画。開業直後や計画通りにならないときを想定。

2、通常時売上
普通に経営していれば、間違いなく達成できる計画。数値は、近隣の店舗や売上基準値を参考にして出す。

3、好調時売上
努力目標としての数値。開業後の目標とするため、高めに設定する。

3つのパターンのうち、低調時売上でも資金繰りできる計画が理想だ。何度もシミュレーションが必要になるが「売上予測」の検証をしっかり行っておけば、開業後にも役立つ。そして、計画よりも少し上に設定した「売上目標」も一緒に考えておくこと。毎日の経営に張り合いをもたらすのは“計画”ではなく“目標”の場合が多い。

「収支計画」のために、開業してからのコストを把握する

「売上計画」が練れたら、次は「収支計画」を立てる。そのためには、経営を続けていくためのランニングコストを把握する必要がある。飲食店にはどのようなコストが掛かるのか、その種類を紹介するとともに、売上額に対しての目安となる割合を紹介していきたい。

<飲食店にかかる主な費用>
原料費…合計30%前後
料理・飲料の原価、テイクアウト原価
人件費…合計30%前後
社員・パートアルバイト給与手当、通勤交通費、福利厚生、求人費など
諸経費…合計12%
水道光熱費、販売促進費、消耗品費、事務用品費など
初期条件…18%以下
店舗家賃、減価償却費、支払金利など
※個人店の場合、オーナー給与も初期条件(売上が変動しても変わらない家賃などの固定費のこと)に入れる。

上記費用の合計が90%以下になるように計画しよう。つまり、目標とするのは“売上比10%以上の利益確保”だ。そのほかにも「収支計画」を立てるうえでのポイントがいくつかあるので押さえておこう。

■原価率と人件費率の合計値は、売上の60%以下が理想
ただし、よく言われている「飲食店の原価率=30%」という概念にとらわれてはいけない。業態によって原価率は変わるし、利益の出ている優良店ほど高い傾向にある。実際に原価率60%と発表している大手チェーン店もある。

■諸経費の合計は12%以下に収める
たくさんの項目がある諸経費だが、その50%を占めるのが“水道光熱費”だ。必要経費ではあるが、抑える努力は欠かせない。節水・節電の意識を持って店舗運営したいものだ。

■家賃は賃料や共益費も含め8%以下に
店舗家賃は固定費の中で最も大きい。「店舗家賃÷0.08」で計算した金額を売上として達成できるかどうかが判断ポイントだ。

さて、ここまで様々な説明をしてきたが、ここで一度、具体的な数値例を紹介しよう。例えば、開業資金が1,415万円のとあるラーメン店の場合、下記のようなモデルとなる。

■ラーメン店の概要
店舗面積:15坪15席、
営業時間:11時〜23時
従業員体制:正社員1名、パート2名

■収益モデル
月間売上高400万円(構成比100%)
原価144万円(構成比36%)
人件費108万円(構成比27%)
減価償却費16万円(構成比4%)
店舗家賃26万円(構成比6.5%)
その他58万円(構成比14.5%)
営業利益48万円(構成比12%)

原価率が36%と高めなのは、バラエティ豊かなメニューを用意しており、食材にこだわっているため。原価率が高くても充分な利益を確保できるのは、店舗のコンパクト化やオペレーションの効率化が成功しているからだ。

最低限の目標売上高を把握する

ランニングコストを把握できたら、「収支計画」を立てていく。飲食店を経営していくためには当然、利益を出さなければならない。税引き前利益で10%以上の利益をまずは目標としたい。

そして、目標を達成するためには「損益分岐点売上高」を意識することが大切だ。「損益分岐点売上高」は、それ以下の金額なら赤字で、以上なら黒字になるという数値だ。下記の計算式で算出できる。

損益分岐点売上高=固定費額÷(1−変動比率)

例えば、「固定費(家賃など)の必要月額=100万円」、「変動比率(売上に対する食材費や人件費の割合)=売上対比72%」という飲食店があったとする。この条件を、先ほどの計算式に当てはめると、100万円÷(1−0.72)=357万1,429円が損益分岐点売上高となる。つまり赤字を出さないようにするためには、357万1,429円を売り上げなければいけないというわけだ。この計算を覚えておけば、借入金の返済に必要な売上や目標達成のための売上も算出できるようになる。

さて、今回は利益を出すための「売上計画」の立て方について紹介した。「売上計画」や「収支計画」を練ることで、たとえ売上が足りないときも原因の究明をしやすく、対策も立てやすい。何度もシミュレーションをした上で、開業に備えたいものだ。

■参考
翔泳社『自分でパパッとできる はじめての飲食店開業&経営』

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いずみかな

About いずみかな

グルメやライフスタイル、育児などを中心に編集執筆業をおこなう。2015年からフリーランスとしての業務を開始。タウン情報誌やレストラン情報を扱うWeb媒体で取材や執筆をしており、特にケーキや洋菓子に興味がある。