カフェは女性、和食店は40代の応募が多い？ 飲食求人の応募傾向
もし自分が飲食店で働いたら…と想像した時、真っ先に思い描くのはどんな仕事風景だろうか？ ひとえに飲食店での仕事と言っても、調理スタッフやホールといった職種の違いや、正社員、アルバイトといった雇用形態の違い、さらにイタリアン、和食、カフェなどの業態の違いもあり、その仕事内容は千差万別と言える。そのため、自分の夢を追い求めるだけでは、その業態・職種にマッチしない可能性もある。求職者として就職活動・バイト探しを行う場合は、目指すべく職種や業態のニーズをある程度把握しておく必要があるだろう。
飲食店専門の求人情報サイト「求人＠飲食店.COM」では数多くの求人情報を掲載しているが、求職者からの応募には何か特徴的な傾向は見られるのだろうか？ 今回は「求人＠飲食店.COM」における求職者からの応募データと、求職者から人気の高い業態である「イタリアン」「カフェ・スイーツ」「西洋料理（フレンチ・スペインなど）」「居酒屋・ダイニングバー」「和食」「バー」にフォーカスを当て、業態ごとに求人応募の傾向を解説する。
※「求人＠飲食店.COM」に掲載された求人情報へ応募があったデータを集計
集計期間：2014年6月1日～2015年5月31日
まず各業態について職種別で応募状況を見てみると、イタリアン、西洋料理、和食については調理系とホール系への応募がおおよそ50%ずつに割れているのに対し、それ以外の業態はいずれもホール系への応募の割合が高くなっていることがわかる。なかでも注目したいのはカフェ・スイーツの応募状況で、ホール系職種への応募数は調理系職種の応募数に対して2倍近い値となっている。なお、求人募集数はホール系の方がやや多めという程度なので、カフェ・スイーツではホール系職種が圧倒的に人気と言ってしまっても過言ではないだろう。
また、バーについては95%近くがホール系職種への応募となっている。求人募集の多くがバーテンダーであることに加え、調理系職種の求人募集数が他業態に比べ少ないためこのような結果となった。
次に雇用形態別で応募状況を見てみると、カフェ・スイーツ、バーについてはどちらも60%前後の割合でアルバイトへの応募が多いのに対し、その他の業態はいずれも正社員への応募が多くなっている。なかでもイタリアン、和食で特に高めの値となっているのが印象的だ。専門料理店では正社員を志望する求職者が多いのではないかと推測できるだろう。
求職者の性別で応募状況を比較すると、全体的に男性からの応募が多くなっていることがわかる。国政としても「すべての女性が輝く社会づくり」を掲げている昨今だが、飲食の現場では依然として力仕事の多さ、勤務時間の長さ等の女性が進出しにくい問題を抱えており、男性比率が高くなってしまう背景を察することが出来る。しかしながら、唯一カフェ・スイーツだけは女性からの応募が60%近くまでのぼっている。お洒落なカフェに入ると店内には女性ばかりという光景も珍しくないくらい、日本のカフェブームを席巻してきたのは常に女性だった。そんなカフェシーンでは働き手としても女性が活躍していることが裏付けされた結果であると言えるだろう。
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このように飲食店とその業態ごとに応募データを分析してみると、飲食の現場で働く人たちの顔がなんとなく見えてくるような結果となった。労働力不足が叫ばれる昨今、飲食業界でも売り手市場が続いており常に人手が足りないという飲食店も少なくないだろう。働き手が仕事を選びやすくなりつつある今、応募状況にも求職者の特色や意向が色濃く出ているのかもしれない。現在飲食店で働いている人やこれから飲食業界を目指す人は、自身の夢や目的を実現できる仕事を主体的に選び、これからの飲食業界を盛り上げていってほしい。
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