年末年始を休業する大手チェーン店が続出。飲食業界の「働き方改革」が活発化

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繁忙期まっただ中の飲食業界。このまま正月も営業して、売上を伸ばそうと考えている飲食店も少なくないだろう。
正月も関係なく営業するのは飲食店を含めたサービス業の宿命でもあるが、最近は少し事情が変わってきているようだ。元日営業を当たり前に行ってきた大手チェーン店が、続々と年末年始の休業を発表しているのだ。
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どんな店が休業を発表しているか?
■ロイヤルホールディングス
ロイヤルホールディングスは、2018年元日の営業を休むことを発表。元日を休みとするのは、ファミリーレストランの『ロイヤルホスト』、天丼チェーンの『てんや』、そしてステーキチェーンの『カウボーイ家族』。今年1月に『ロイヤルホスト』で24時間営業を廃止したことも記憶に新しいが、働く環境を改善し、従業員の満足度を高める動きはさらに加速しているようだ。
■テンアライド
居酒屋『旬鮮酒場天狗』『炭火串焼テング酒場』で知られるテンアライドは、12月31日の大みそかに一斉休業すると発表した。同社では3000人の従業員を抱えているが、休業の理由は「従業員の待遇改善のため」とのこと。全122店舗が一斉に休業するのは初めてとなる。
■大戸屋 ごはん処
『大戸屋 ごはん処』を運営する大戸屋ホールディングスは、直営店の半数以上で、今年の大みそかと来年の元日を休みとすることを決定した。オフィス街にある店舗は年末年始に利用客が少ないこともあり、これまでも元日を中心に休みをとってきたが、働きやすい環境を作り人材確保につなげるため、年末年始の休業を取り入れた。

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一貫しているのは「人材不足」「働き方改革」
年末年始に休業が広がっている理由として、近年深刻になっている人手不足、政府が推奨している「働き方改革」が背景にある。飲食業界は数年前から人手不足といわれているが、その状況は改善することがなく深刻化。弊社が行った調査によると飲食店の79.8%が人手不足を感じているという。これを改善するために、じつに66.3%の飲食店が従業員の待遇改善を実施。そのうち36.1%が「従業員の休日増加」に取り組んでいる。
飲食業界に少しずつ浸透している「働き方改革」だが、その動きは活発化しているといえるだろう。
