リモンチェッロの飲み方・作り方。本場イタリアのレシピを公開！
Photo by kizzzbeth「Limoncello」
梅酒の出来上がりが待てない人に朗報！
じめじめとした天気が続くこの頃。梅雨が明けるにはまだ時間が掛かりそうだが、ひと足先に夏気分を味わえる話題をお届けしたい。
梅雨といえば、梅が熟す時期。自宅で梅酒作りにチャレンジした方もいるのではないだろうか。自家製の梅酒が飲めるようになるには、少なくとも半年、しっかりとした味を楽しみたいなら1年ほど時間が掛かる。もっと早く飲めたら、という思いを抱く方も多いはず。
そんな方におすすめしたいのがリモンチェッロ。これはイタリアで誕生したレモンリキュールで、梅酒と同じく自分で作ることが可能だ。しかも2週間ほどで完成するので、梅酒のように首を長くして待つ必要がない。今から作っておけば、梅雨が明ける頃には飲みごろになるというわけだ。
ひと口飲めば、目の前に地中海が広がる
リモンチェッロの発祥は、イタリア南部に浮かぶカプリ島だと言われている。カプリ島は約10平方キロメートルほどの小さな島だが、「青の洞窟」をはじめとした美しい景観が魅力で、世界中から多くの観光客が集まる。
特産物はレモン。カプリ島で採れるレモンはアマルフィーレモンと呼ばれており、普通のものと比べると大きさは倍以上。その分、香り高いのが特徴で、リモンチェッロはこのアマルフィーレモンを使用するのが最高の作り方だとされている。
私たちが梅酒を作るように、庭先で採れたレモンを使用してリモンチェッロを作ってきたカプリ島の人々。その飲み方がなんともリゾート感たっぷりなので少しご紹介したい。
仕事の昼休みにクイッと一杯
“イタリアの楽園”なんて呼び名もあるカプリ島。リゾート地だけに住民ものんびりとした気質らしく、仕事の昼休憩には自宅へ戻り、リモンチェッロをクイッと一杯やることもあるのだとか。日本では考えられない行為だが、これが許されるのは“楽園”だからこそ。
食後にクイッと一杯。そのまま夢の中へ
もともとイタリアには、アルコール分の強い酒を食後に飲む文化がある。いわゆる食後酒というやつだ。イタリアの食後酒としてはグラッパが有名だが、ここカプリ島では昔からリモンチェッロを飲む習慣があったのだそう。レモンの爽やかな香りは、パスタやリゾットで重くなった胃袋を軽やかにし、そして心地いい酔いは、そのまま夢の中へといざなってくれる。
地中海に浮かぶ夕陽をバックにクイッと一杯
真っ青な空が次第にオレンジ色へと染まり、星が少しずつ瞬き出す。そんな映画のワンシーンのような風景をバックにリモンチェッロを一杯。カプリ島の住民にとってはこれが日常。なんとも羨ましい話だ。
Photo by Pernilla Rydmark「Limoncello」
今から仕込めば、梅雨明けには完成！
カプリ島でいただく最高の一杯には敵わないが、日本でだってリモンチェッロは味わえる。自宅で楽しむのはもちろん、キャンプやバーベキューといったシーンで味わうのもまた格別だ。そこで最後に、リモンチェッロの作り方についてご案内しよう。
【材料】
1、レモン（無農薬栽培、ワックス無しのものを使用）…15個
2、スピリタスウォッカ（アルコール度数96度）…1リットル
3、グラニュー糖…700グラム
4、水…1リットル
【作り方】
1、レモンをよく洗う
2、レモンは皮のみ使用。皮はピーラーで薄くむく（黄色い部分のみ使用する。白い部分は取り除く）
3、ガラス容器にレモンの皮とスピリタスウォッカを入れ、1週間漬け込む
4、鍋に水とグラニュー糖を入れて加熱、シロップをつくる
5、3をこし、レモンの皮を取り除いたうえで、冷めたシロップを注ぎこむ
6、1週間、常温で保存
7、瓶に詰め変えて冷凍庫で保存。完成
【ポイント】
・レモンの皮の裏側にある白い部分は苦味があるのでしっかりと取り除く
・レモンの皮とスピリタスをガラス容器に漬け込む際は、日なたで保存するといい
・アルコール度数が強いため、冷凍庫に入れても凍らない。ぜひ冷凍庫で保存を！
【おすすめの飲み方】
オーソドックスな飲み方としてはソーダで割るのがおすすめ。ほかにも白ワインやスプマンテで割るのもよし。そして意外にもミルクとも相性がいい。しかし一番試してほしいのは本場の飲み方。冷凍庫でキリッと冷やした少量のリモンチェッロを、リキュールグラスに入れてクイッと飲む。カプリ島の絶景を思い浮かべれば、夏気分も一層高まるはずだ。
さて今回は、リモンチェッロの魅力についてご紹介した。今から仕込めば、出来上がる頃には梅雨も明けるはず。夏の楽しみを増やすためにも、リモンチェッロ作りにぜひトライしてみてはいかがだろうか。
