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日本の飲食店がアメリカで成功するには? 「北米進出セミナー」完全レポート

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パネルディスカッションの様子

参加者から質問に応答「焼肉は今、アツいです」「テキサスが狙い目」

最後に、山本氏、眞部氏、VIDA DESIGN INTERNATIONAL代表・吉田耕規氏、弊社取締役・大須賀康人によるパネルディスカッション、そして参加者との質疑応答が行われた。

参加者から「焼肉店を米国に出したい」という点で質問があり、眞部氏が応答。「焼肉は今、アツいです。マーケットを広げています。これまではコリアンバーベキューしかありませんでした。そこへ牛角さんが『ジャパニーズバーベキュー』と称して進出してきまして、それが当たっています。業態としてはいいと思います」。もっとも、「空調の工事が大変です。内装が大変なので、すごくお金がかかるし、面倒です」と問題点の指摘も忘れなかった。

また、米国をはじめとする北米への進出のメリットは何かという根本的な質問もされた。これに眞部氏が「米国はマーケットが大きいです。一つ成功すれば、次は隣の州でも簡単に出店できます」と市場のスケールを強調。山本氏は「アメリカは参入障壁が高いですが、それをクリアした方はその分、強くなれます。アメリカで成功したというブランドを持って、アジアに出ていくというのも一つの方法でしょう。食品の輸入規制ではアメリカが一番厳しいです」と高い壁だからこそ、越える価値があるという考えを示す。また、客単価の高さで売上が計算できることの強みもパネラーから出た。

事前のアンケートで和食居酒屋経営者から「今、狙い目のエリアはどこでしょう?」という質問が出されていたが、これに対して山本氏は「ロサンゼルス、サンフランシスコ、ニューヨークは日系インフラも整っておりスタートはしやすいですが、和食の店が多く出店していて競争が激しくなっています。一方、シカゴ、テキサスなど内陸のエリアはまだまだ出ていないところが多いので狙い目かもしれません」と分析する。眞部氏は「トヨタの工場がロサンゼルスからテキサス州に移って何万人単位で日本人が移っています。テキサスは伸びるかもしれません」と言う。

Photo by iStock.com/GreenStock

日本の従業員を派遣するためのVISA取得に対する質問に対しては、パネラー全員が「非常に難しい」と口をそろえた。そのため、VISAなしで滞在できる3か月の間に、現地の人間に仕事の流れを教え込むなどの方法が現実的であることが解決方法として示された。

米国で開店した場合、法人、個人のどちらが多いかという質問に眞部氏は、「開業しているのは個人の方が多いように思います。企業でもそれほど多くの店舗を運営していない、5、6店舗ぐらいが多いです。E-VISAを取って自分で切り盛りして、ナンバー2は日本に置くというパターンが多いように感じます」という。

それ以外にも従業員の最低賃金の質問が出るなど、参加者は北米進出に向けて真剣な様子でパネラーの話に聞き入っていた。

米国進出は経済的メリット、ブランドイメージの向上に役立つだけに各社、個人とも社運をかけて進出するという側面が強い。高い参入障壁が逆に魅力でもあり、今後も日本からの進出は増え続けるであろう。弊社ではこうしたセミナーを今後も多く開催し、ビジネスの後押しをしていく考えである。

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『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

ライター: 『飲食店ドットコム ジャーナル』編集部

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