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外食大手がテイクアウト・デリバリーを強化。10月の軽減税率スタートを追い風に!?

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写真はイメージ。画像素材:PIXTA

今年10月に実施される消費税率の引き上げを前に、外食各社が「宅配」や「持ち帰り」のサービスを強化している。これは、飲食店内での食事の税率が10%にアップするのに対して、「宅配」や「持ち帰り」は軽減税率制度のスタートにより税率8%に据え置かれるためだ。

中食の市場規模は10兆円を突破

中食の市場規模は年々拡大しており、2017年には10兆円を超えた。「単身世帯」や「共働き世帯」が増加し、家庭内で食事を作るよりもスーパーやコンビニで惣菜を買う、もしくは飲食店などのテイクアウト・デリバリーを利用する機会が増えたことが主な原因だ。こうした傾向はさらに強まっていくことが予想されており、加えて10月には軽減税率制度もスタートする。飲食店にとっては中食事業に進出する絶好の機会だといえるだろう。

大手各社の動き

時代の流れを受け、多くの外食店がテイクアウト・デリバリーサービスを強化している。

◼️すかいらーくグループ
全国の『ガスト』や『バーミヤン』などのうち、料理の宅配サービスを提供する店舗を、2020年中に今の1.5倍に当たる1500店に増やすとしている。また、『ガスト』では、家庭で温め直しても出来たてと食感がほぼ変わらないピザの生地を開発したほか、宅配専用のメニューとして、ローストチキンや揚げ物のセットなどを用意する。

◼️スターバックス
「Uber Eats」を導入し、東京都内の3店舗でデリバリーを試験的にスタート。エスプレッソビバレッジをはじめ、スイーツやスナック類、タンブラーやコーヒー豆などが購入できる。

ほかにも、牛丼の『すき家』と『吉野家』が宅配サービスを強化するほか、回転ずしの『元気寿司』では持ち帰り専門店をオープン。定食の『大戸屋』でも、持ち帰りメニューを増やすことにしている。

写真はイメージ。画像素材:PIXTA

「出前館」に参加する飲食店が急増

そんななか好調なのが、外食各社の宅配を請け負う「出前館」だ。同社のサービスを使用する飲食店が急増しているのだ。2018年8月末時点の加盟店舗数は1万7207店にものぼり、1年前から12.3%増。2018年8月末時点のアクティブユーザー数(直近1年間で1回以上注文した利用者数)は269万人にもなり、1年前から14.1%増だった。また、大手外食チェーンの参加も相次いでいる。最近では、ラーメンチェーン『日高屋』が参加。回転ずしチェーン『かっぱ寿司』も昨年9月から「出前館」での宅配を始めている。

新サービスも続々誕生

消費者の多様なニーズに応えるため、新たなサービスも次々と登場している。

■LINEテイクアウト
この春にリリース予定の新サービス。ユーザーが現在いる位置に応じて、近隣のレストランを検索・事前注文ができるほか、スマホのおサイフサービス「LINE Pay」やクレジットカード決済を利用して、LINE上で注文から決済まで完結することができる。また、注文するごとに「LINEポイント」を受け取れ、貯まったポイントは1ポイントを1円として「LINE Pay」で使用できる。

■POTLUCK
昨年9月にスタートした「POTLUCK」は、月額定額制でさまざまなお店のランチをテイクアウトできるサービス。30日間有効のチケットを購入し、登録されている店舗の中から好きなお店を選んで事前に注文。あらかじめ指定した時間に店舗まで足を運べば、行列に並ぶことなく食事を受け取れる。3月3日に累計注文数が1万食を突破したことでも話題になった。

中食市場は今後もさらに拡大していく。飲食店が中食事業に参入する際、たとえばデリバリーを行うにも自前で配達機能を用意するのはなかなか難しいが、「Uber Eats」等のサービスと連携すればそのハードルも下がる。売上拡大の一手にぜひ検討してみてはいかがだろうか。

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上條真由美

ライター: 上條真由美

長野県安曇野市出身。ファッション誌・テレビ情報誌の編集者、求人ライターを経て独立。インタビューしたり執筆したり、平日の昼間にゴロゴロしたりしている。肉食・ビール党・猫背。カフェと落語が好き。