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外食ノウハウ活かしホテル事業に参入! そら・都築代表が目指す「コトづくりカンパニー」の全貌

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そらの組織づくりについて教えてくれた都築氏

「世界一のコトづくりカンパニー」を実現させる組織づくり

━━今回、新しく誕生した『鮨よしかわ』や『三ノ汁』以外にも、貴社には『うっとり』や『Azzurro520』『佐田十郎』といったメインブランドもあります。なぜ多様な業態を開発できるのか教えてください。

都築 いい意味でみんながバラバラの方向を向いているからではないでしょうか。もちろん「世界一のコトづくりカンパニー」というビジョンは共有しています。そこから外れては絶対に駄目です。だけど、そこさえしっかりと守っていれば、「多角化に携わりたい」「一店舗をじっくりとつくりたい」「いずれは独立したい」など、どんな夢を持っていても構いません。

僕たちは「仲間の夢を応援する」という価値観を大切にしています。主張はするが批判はしない姿勢を大切にしているのです。みんながそれぞれの夢を大切にしていて、僕が一人一人のポテンシャルに色付けをしていく。それが組織に多様性を生み、幅広い業態の展開につながっていると考えています。

━━単一業態で効率的に成長していく方法もあると思いますが

都築 単一業態だと権威主義がはびこるようになります。「40歳にならないとこの仕事は任せられない」といったルールも出きたりするでしょう。それは僕らがやりたいことではありません。僕自身が夢を応援されたお陰で、大きく成長することができました。だからこそ、僕もスタッフの夢を応援したいし、スタッフ同士の夢を応援する社風をつくっていきたいと考えています。多様性を重んじている僕らだからこそできるチャレンジもあるでしょう。アメーバのように互いに連携しながら増殖し、成長を続けていきたいです。

━━多様な考えを尊重する中で、意見の対立などもあると思います。その際は、各現場でどのようにマネジメントをしているのですか

都築 店舗開発をする前にコンセプトシートをつくり、何か意見の対立があったとき立ち返るようにしています。例えば、「仲間と楽しく働いてもらいたい」と「お客様に感動を与えたい」という意見で対立したとします。だけど、コンセプトシートには「めっちゃ楽しませる」とあるから、この店では「お客様に感動を与えたい」という考えを大切にしよう。でも「仲間と仲良く働きたい」という思いも間違ってはいない。優先順位を考えてやっていこう、と話し合ってチームをマネジメントしています。

『MINIMAL HOTEL OUR OUR』の浴場。男女ともにヒノキ風呂を用意するなどし、日本の文化に触れられる工夫も施す

━━6月21日には『CAFE / MINIMAL HOTEL OUR OUR』がオープンしました。狙いはどこにあるのでしょうか

都築 今回、僕らはベーカリーという新しい業態にチャレンジしていますが、同時にホテルの運営という別業種の仕事へもチャレンジしています。無謀だと思う方もいるかもしれません。だけど、居酒屋で培ったノウハウは別の業種でも通用すると確信し、挑戦を決めました。

他方で、浅草橋には海外の方が多く滞在しており、『MINIMAL HOTEL OUR OUR』のメインターゲットも外国人旅行客です。ホテルを運営する中で、インバウンドに対応せざるを得ません。飲食業界ではインバウンド対策が重要だと言われていながら、なかなか出来ていないのが実状です。ホテルで積んだインバウンド対策の経験を飲食で生かす流れをつくり、シナジー効果を発揮させながら、次の時代にいち早く適応していきたいと考えています。

『MINIMAL HOTEL OUR OUR』には女性専用のフロアがあり、安全に使えるつくりとなっている

━━最後に今後のビジョンを教えてください

都築 自分たちがやっていることが正しいかどうか。それをジャッジしてもらうためにも、引き続き、働きやすい環境を整えながら店舗を展開していきます。また年に一回、M&Aを行って、僕らの中に新しいノウハウを吸収していきたいです。現在、「DNAを奮わせろ!」というミッションが能力のある人に響いて、成長意欲の高い若手が集まってきています。さらなる成長を目指し、挑戦を続けていきたいです。

都築学(つづき・まなぶ)
1975年、愛知・名古屋生まれ。大学卒業後、大手スポーツ用品メーカーを経て、株式会社くふ楽(現・株式会社KUURAKU GROUP)に入社。2006年に独立すると、北習志野に1号店『串焼・旬菜食堂 うっとり』をオープンし、2008年に株式会社そらを設立。現在、飲食事業・スポーツストレッチ事業・カーセールス事業など、幅広い事業を展開している。

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三輪大輔

ライター: 三輪大輔

歓楽街情報誌や放射線技師専門誌、歯科衛生士の求人誌などを経て、2014年に独立。現在、『月刊 飲食店経営』の編集委員をつとめるなど、外食業界の取材を精力的に行う。これまでインタビューをした外食企業の経営者は100名を超える。