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「チーズ×自然派ワイン」でゲストを虜に。恵比寿『スブリデオ レストラーレ』の戦略に迫る

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ワインを注ぐワイン担当の村上香織さん

チーズ料理好きの間で評判のレストランがある。恵比寿の『スブリデオ レストラーレ』だ。2012年のオープン以来、欧州産チーズを使った料理を提供してきた。ラクレットのグリル、チーズを添えた肉料理、チーズをふんだんに使ったパスタはもちろん、チーズケーキにいたるまで、好みのチーズ料理をアラカルトで頼めるのがこの店の魅力だ。

濃厚で、香り豊かなチーズ料理とくれば、ワインがなければはじまらない。自慢のチーズ料理とのペアリングを、心地よく楽しませてくれるワインを多数用意している。しかも開業2年目の、2014年から自然派ワインを扱ってきた。自然派ワインを置き始めたきっかけや、扱った結果どんな変化があったのかを取材した。

【この記事にも注目】「ラム×自然派ワイン」で連日満席! 『羊香味坊』グルメ激戦区を勝ち抜く成功戦略

約80銘柄の欧州産自然派ワインを提供している

チーズ料理專門のレストランも珍しければ、自然派ワインがまだ一般的になる前から扱い始めるなど、オーナーシェフに先見の明があったに違いない。「チーズ料理を出そうと思ったのはオーナーシェフの私ですが、じつはまったく飲めないんです(笑)。なのでワインはソムリエに一任してきました。当時まだ珍しかったナチュラルワインを選んだのは二代目のソムリエです」と吉田健志(けんじ)シェフはふりかえる。二代目ソムリエはフランスとチーズが大好きで、チーズ料理に合いそうな各国の自然派ワインを選んだ。その二代目ソムリエが2017年に退職。現在、ワインの責任者は、入社5年目の村上香織さんだ。

ワインは担当者に任せ、オーナーシェフの吉田健志さんは料理一筋

「2年前、ワイン担当を命じられました。私自身二代目ソムリエの影響を受けていると思いますが、自分が美味しいと思ったワインを入れるように心がけています。現在フランス、イタリア、スペイン、ドイツ、スイス、ギリシャ、スロベニア、ジョージアなど約80銘柄の自然派ワインを扱っています」

酒屋から引いているものも含め、取り引き先のインポーターは20社弱。そのインポーターが新しい自然派ワインを届けてくれることもあれば、新しい出合いと発見を求めて試飲会に足を運ぶことも多いそうだ。村上さんが初めて経験した自然派ワインは、「モヴィア」(スロベニア)のトカイ・フリウラーノ。とても美味しいワインだというのが第一印象だった。ところが、抜栓して1か月経っていると聞き、さらに驚いた。

「『モヴィア』のそのワインは、抜栓後時間が経ったほうがより美味しくなることを知り、感動しました」

「モヴィア」のように抜栓から1か月経った頃が美味しくなるワインもある

どんなワインなのか、その特徴をきちんと説明する

ナチュラルワインともヴァンナチュールとも呼ばれる自然派ワインには定義はない。自然農法で栽培されたブドウを醸したワインである、ゆっくりと発酵させたワインである、ケミカルフリーで造られたワインであるといった解釈がなされるものの、「これが自然派ワインだ」という決まりはない。けれど、村上さん自身は、より自然に造るからこそワインそのものに力があり、その力を感じられるものが、自然派ワインだと思っているという。

「『モヴィア』のトカイ・フリウラーノには、自然の力強さを感じました。でも、自然に造っているため、どう転がるのかわからないワインもあります。毎日扱っているので、味の変化を確認できるし、今がいちばん美味しいと感じることも多々あります。首をかしげたくなるような状態のものでも、しばらく置いておくと良くなってくるワインもあります。不思議なことが起こりうるのが、自然派ワインの特徴のひとつだと思っています」

『スブリデオ レストラーレ』では、自然派ワインをボトルとグラスワインで提供している。村上さんがいうように、どう転ぶかわからないものもある中で、自然派ワインを客に飲んでもらう際、注意すべき点はあるのだろうか。

「初めてご来店いただいたお客様と、常連のお客様では対応が違いますね。最近の傾向として、うちが自然派ワインを扱う店であることをネットサイトで調べた上で来てくださる方が多くなってきました。自然派ワインに興味をお持ちの方が増え、『飲んでみたかったんです』とおっしゃってくださる方もいます」

ずらりと並ぶワイン

初めて来た人には、好みのワインや苦手なタイプなどを質問する。

「ワインに興味があり、こちらに任せてくださる方には、お客様が選んだチーズ料理とペアリングをしたら感動が生まれると思えるワインを選ばせていただくようにしています。その際、どんなワインなのかきちんと説明させていただきます」

それはなぜか。

「自然派ワインはノンフィルターのものが多いんです。そのため澱(おり)が入っていて濁っているものや、オレンジ色のワインもあります。生産者の中には澱も旨味だと主張する人もいます。でも、そうしたワインをおすすめする場合は、説明が欠かせません」

正統派のワインを好む人に、自然派ワインを出すと誤解が生じる場合もあるという。なのでゴリ押しはご法度。

「でも、試飲していただくこともあります。なかには気に入ってくださり、ご注文をいただくお客様もいらっしゃいます」

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中島茂信

About 中島茂信

CM制作会社を経てライターに。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』『101本の万年筆』『瞳さんと』『一流シェフの味を10分で作る!男の料理』『自家菜園のあるレストラン』。『笠原将弘のおやつまみ』の企画編集を担当。「dancyu web」や「ヒトサラ」、「macaroni」などで執筆中。