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ウィズコロナ時代の飲食店経営で大切なこと。売上回復、コスト削減 etc...

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東京都は6月19日、飲食店などへの休業要請を全面解除。飲食店は時間の制限を受けることなく営業できるようになった。新型コロナウイルスが収束するまでは、感染拡大防止対策を取り入れた新たな営業スタイルが求められるが、長きに渡った休業要請が解除されたことに胸をなでおろしている飲食店経営者も多いのではないだろうか。

緊急事態宣言が解除されたとはいえ、特に都心部などでは客足の戻りが鈍く、苦戦を強いられている店舗も多い。当分は売上を元に戻す努力をしつつ、少しでも利益を確保する工夫が必要となるだろう。一体、どんな戦略が求められるのか? ウィズコロナ時代の飲食店経営のヒントを紹介していく。

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売上を回復するにはどうすればいいか?

コロナ禍前の売上に戻すためにはどうしたらいいのだろうか? まず認識しなければならなのは、コロナ禍前と同じやり方では売上を確保することは難しいということ。例えば、お客様同士の間隔を空けるとなると、客席数を減らす必要がある。必然的に店内の利用客は減ってしまう。

利用客の数を増やすには、すでに多くの店が実践しているテイクアウトサービスが考えられる。テイクアウトは店内の客席数に縛られないので、売上を伸ばすことができる。メニュー数をある程度絞ってロスが出ないように販売する、リピーターをつかむよう商品メニューや販促企画を考える、などができれば十分に売上増が期待できるだろう。

お客様のメールアドレス、SNSアカウントなどの情報を取得しているのであれば、来店を促すメッセージを送るのも地味ながら効果的だ。営業再開や時間を変更しているお知らせ、厳しい状況の中で頑張って営業しているので、ぜひまた来てほしいとストレートなメッセージを送ることも今の時期ならありだろう。外食をしたいという消費者は多いので、きっかけがあれば来店してくれる人も多いはずだ。

面白い取り組みとしては、需要と供給に合わせて価格を変更するダイナミックプライシングを導入している飲食店もある。例えば、ランチの時間で12~13時までの来店客には10%プラスの価格、13~14時は通常価格、12時前と14時以降は10%割引価格というようにする。繁忙時間は客席数が減っても売上を確保することができ、逆にアイドルタイムは来店客が増えるという効果がある。コロナ対策でピーク帯の席数を減らすためということであれば、顧客の理解も得られるだろう。

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コストを抑えるにはどうすればいいか?

利益をしっかりと確保するためにはコスト削減が欠かせない。なかでも大きいのが人件費だ。無駄な人件費を発生させないためにも、スタッフのシフト調整を徹底し、また街の賑わいも完全には戻っていないので、客入りが少ない時間帯があるなら営業時間を見直すのも手だ。

賃料に関しては、緊急事態宣言中に減額や支払い猶予の交渉をした店舗も多いと思うが、減額されなかった、または営業を再開しても思うように売上が戻らないということであれば、再度交渉をしてみよう。テナントオーナー向けの支援策や給付金も発表されているので、柔軟に対応してもらえる可能性もあるだろう。

さらに、この機会に見直したいコストとして、広告宣伝費や販売促進費も考えられる。効果を検証できず、毎月だらだらと支払っている広告費はないだろうか? 通常の時期であれば、新規客を獲得するためにネット媒体やSNSの有料広告を強化するのも一つの手段であるが、今の状況であれば既存顧客にまた来てもらうような施策に注力したほうがいいだろう。

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国や地方自治体の支援はどう活用すればいいか?

国や地方自治体の支援はどう活用すればいいだろうか? 多くの飲食店に関係ある家賃支援給付金のように、緊急事態宣言後に発表された支援策も多い。特に県や市区町村の支援策は大きくメディアに取り上げられることはないので、ホームページをこまめにチェックするといいだろう。例えば、東京都町田市は6月に中小企業者家賃補助事業を発表している。また、大阪府は休業要請外支援金という休業要請支援金の対象外となった店舗向けの支援策も発表している。

新型コロナウイルス感染症の影響を受けても、新たな投資を考えている店舗もあるだろう。その場合は国の補助金の申請を検討してみてはどうだろうか? ものづくり補助金、IT導入補助金、小規模事業者持続化補助金は申請件数が多い補助金であるが、特に今年は非対面型ビジネスの展開など新型コロナウイルス感染症の影響を考慮した投資への補助金が多い。気になるようであれば、中小企業診断士などの専門家に相談するといいだろう。

今回は、ウィズコロナ時代の飲食店の経営に役立つヒントをいくつか紹介した。特に、支援策や補助金に関してはこまめに情報を集めること、専門家に相談することが必要となる。ぜひ、積極的に活用してほしい。

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若林和哉

ライター: 若林和哉

株式会社パートナー経営企画・代表取締役。飲食店の勤務経験や中小企業診断士の資格を生かして、事業計画作成や資金調達の支援、フランチャイズ関連のWebページの執筆やセミナー講師などを務める。好きなお店は、ラーメン・カフェ・日本酒のおいしい居酒屋など。https://パートナー経営企画.com/