居酒屋のリピート客、コロナ禍では「接客」重視。ROIが覆面調査結果から分析
新型コロナウイルスの感染拡大により、大きな打撃を受けている居酒屋業態。厳しい状況が続きながらも、なんとかリピーターを確保しようと取り組んでいる店も多いだろう。
こうした中、覆面調査サービス「ファンくる」を運営する株式会社ROI(アールオーアイ)が、新型コロナウイルスが流行する以前(2019年6月~12月)と、1度目の緊急事態宣言解除後のコロナ禍(2020年6月~12月)に実施した覆面調査の結果を分析。今回は、その結果明らかになった、お客の「再来店意向」に与える影響の変化について紹介していく。
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コロナ禍では「接客姿勢・笑顔」が「再来店」に強く影響を与える
ROIの調査によると、コロナ前、コロナ禍ともに「再来店意向」と深い因果関係にあるのが「料理」。料理の質や量の満足度が高いお客は、それだけ再来店意向も高いということが明らかとなった。
これに対し、コロナ前とコロナ禍の調査で変化が現れたのが、「接客姿勢・笑顔」だ。コロナ前は、「接客姿勢・笑顔」が再来店に直接影響を与えることは少なく、また「接客姿勢・笑顔」と「料理」の関係性が強かった。要するにコロナ前のお客さんは、接客と料理をひとつのものとして評価し、それが再来店に影響を与えていたということになる。
「入店対応」の良い店は接客や料理の評価がアップする
一方で、コロナ禍では「接客姿勢・笑顔」と「料理」の関係性が弱くなり、「接客姿勢・笑顔」と「再来店意向」の関係が強くなっている。つまり、コロナが蔓延してからは、「料理」と「接客姿勢・笑顔」が別々に評価されており、「接客姿勢・笑顔」が直接、お客の「再来店意向」に影響を与えているというのだ。
さらに、今回の分析からは「入店対応」と、「接客姿勢・笑顔」や「料理」との関係が深いことも分かった。入店対応が良い店は、接客や料理の評価がアップし、しいては、お客の再来店にもつながるとしている。
コロナ禍で飲食店のあり方が変化したこともあり、思うような接客ができないこともあるだろう。しかし、今回のROIの分析で、コロナ禍では「接客姿勢・笑顔」が再来店に与える影響が大きくなっていることが明らかとなった。新たなリピーター獲得のため、料理の質や量はもちろん、接客面の向上も図ってみてはいかがだろうか。