【新型コロナ】飲食店のクラスター発生事例から学ぶ。今、実践すべき感染対策は?

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全国で新型コロナウイルスの感染が拡大している。国内の一日の新規感染者数が2.5万人を超える日もあるなど、過去最大の波が押し寄せてきている。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の延長・再発令も行われており、8月27日時点で21都道府県に緊急事態宣言、12県にまん延防止措置が発令されている。
こうしたなか、各地でクラスターも発生している。なかには、飲食店で起きたクラスターもあり、決して他人事とは言えない状況だ。そこで今回は、飲食店で起きたクラスターの事例をいくつか紹介するとともに、今、飲食店が何を注意すべきなのか考えていく。
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各地の飲食店クラスター発生事例
まずは、ここ最近報道されている各地のクラスターの中から、飲食店で起こったクラスター事例をいくつか紹介していく。どのような原因で飲食店クラスターが発生しているのだろうか。
■石川県
石川県では、カラオケが利用できる飲食店で、スタッフや利用客など計5人が感染するクラスターが発生。手指消毒や換気といった感染対策が行われていたものの、県による第三者認証制度を受けていない店舗だった。また、マスクを外してカラオケを行っていため、飛沫が飛び、感染が拡大したものと考えられている。
■宮崎県
宮崎県内の酒類の提供がメインの飲食店で、スタッフと利用客の計5人が新型コロナウイルスに感染。スタッフがマスク未着用のまま、接客や配膳などをしていたという。また、宮崎県では飲食店に対し時短営業を要請しているが、同店舗は要請に応じず、営業を続けていた。
■長崎県
長崎県では、ワクチンを2回接種した利用客が感染した事例が発生している。マスクをせずに、友人とともに居酒屋やバーで会食を実施。結果的に、クラスターが発生することになってしまった。
■兵庫県
兵庫県内の酒類を提供する飲食店の事例では、スタッフと利用客の計8人が新型コロナウイルスに感染した。店内では、手指の消毒が行われていたほか、アクリル板も設置されていた。お酒もカウンター越しに渡すなど、感染対策が講じられていたが、十分に換気ができていなかったとみられている。

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飲食店が気を付けるべきポイントとは?
今回ピックアップした事例をみると、従業員や利用客がマスクを外していた場面が目立つ。新型コロナウイルスの感染経路は、飛沫感染や接触感染と言われており、マスクの着用は感染対策の有効な手段の一つとされている。
ここ最近感染を拡大している変異株は、とくに感染力が強いとされ、ワクチン接種後も油断はできない。すでにマスクを着用して接客を行っている飲食店が多いと思うが、改めて正しいマスクの付け方を徹底してほしい。
クラスター発生のリスクを下げるためには、飲食店スタッフだけでなく、利用客にもマスクの着用を促すことも大切だ。マスクを外しての会話やカラオケなどが原因とみられるクラスターも各地で発生している。
飲食店側からマスクの着用を促すのはなかなか難しいが、来店時に黙食やマスク会食の徹底をお願いする、目のつく場所にポスターやポップを提示するなど、飲食時以外のマスク着用を呼び掛けてほしい。
また、今回紹介した事例では、換気が不十分だと思われる店舗でもクラスターが発生している。密閉空間はクラスターが発生しやすいとされているため、換気設備や窓の開放など、適切な換気を行える環境を整えることも大切だ。
マスクの着用や換気だけを徹底すれば、クラスターの発生がゼロになるというわけではないが、手指消毒、アクリル板の設置、テーブル同士の距離の確保といった、基本的な感染対策を組み合わせて行うことがクラスター発生のリスクを下げることにつながる。すでに感染対策を徹底している飲食店が多いと思うが、クラスター発生のリスクを減らすためにも、今一度気を引き締めて感染対策に取り組んでほしい。
