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ラーメン店の倒産、過去10年で最少。コロナ禍の財政支援やデリバリーの浸透が影響か

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画像素材:PIXTA

東京商工リサーチが、ラーメン店の倒産に関する調査結果を発表した。これによると、2021年度のラーメン店の倒産は、22件と前年度よりも大きく減少。コロナ禍の財政支援などを受け、倒産数が減ったと見られる。

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2021年度のラーメン店、過去10年で最少の倒産数

新型コロナウイルスの感染拡大以降、多くの飲食店で苦しい状況が続いているが、2021年度における負債1000万円以上のラーメン店の倒産件数は、22件にとどまった。前年度の36件と比べると38.8%減少。過去10年間の倒産件数と比べても最少の数字となっている。

昨年大きく上昇した負債総額も下がりつつある

倒産件数が減少した背景について、東京商工リサーチは、融資や助成金、協力金といったコロナ禍の財政支援を挙げている。コロナ禍で苦境に置かれている飲食店に対しては、これまで政府や自治体がさまざまな財政支援を行っており、こうした支援が倒産数の減少に影響したと見られる。

また、「持ち帰りやデリバリー強化などの効果」も出ているという。コロナ禍では、持ち帰りやデリバリーが広く浸透。これに伴い、デリバリーサービスに新規参入したり、自店舗の持ち帰りや出前配達を強化するラーメン店も少なくなく、その結果が反映された形だ。

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まん延防止全面解除で売上回復期待も…

営業時間の短縮要請などにより、ラーメン店では、夜の需要が大きく減少していたが、3月にまん延防止等重点措置が解除となったことで、売上回復を期待する声も上がってきている。実際、大手ラーメンチェーンの『日高屋』を運営する「ハイデイ日高」では、今期増収を見込んでいるという。

一方で、東京商工リサーチは、コロナ禍の生活様式の変化で外食需要が減少しているのに対し、自宅で麺類を楽しむ人は増加していると言及。ラーメン店は今後、こうした内食需要とも競っていくことになりそうだ。

現在、感染者数が高止まりとなっている地域も多く、いまだ気は抜けない。また、ウクライナ侵攻による小麦や食用油などの原材料高騰の影響も出てきており、飲食店にとって厳しい状況は今後も続くとみられる。

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サトウカオル

ライター: サトウカオル

グルメ、ライフスタイル、ITとさまざまなジャンルの執筆を経験。現在は、ポップカルチャー系のウェブサイトでグルメ関連の記事を執筆中。趣味は、料理とネットサーフィン。ネットで気になった料理を自分流にアレンジして食べるのが最近のマイブーム。